様々な課題を抱えながらも便利な面を持ち、大きな発展をしつつある仮想通貨ですが、この先社会にどの程度広がっていくのでしょうか。
また、私達が今使っている通貨はどうなってしまうのでしょうか。
ここでは仮想通貨の未来について、ポジティブな予想、ネガティブな予想の2つに分けて紹介していきます。
仮想通貨に否定的な意見の殆どは、その価値の不安定さについて言及しています。
仮想通貨の抱える課題で紹介した通り、現在の仮想通貨は価格の上下が激しく、実際仮想通貨を保有する人の多くが将来の価値の上昇を見込んだ投機目的だと言われています。
価値を安定させるためには仮想通貨による取引が増えればいいと簡単にはいうものの、
「数ヶ月後に価値が倍になっているかもしれないと思っている人たちが仮想通貨で支払いなどしない」という指摘もあり、仮想通貨が支払いの手段として普及していくのは容易ではないという声も大きいです。
また、課題として紹介したセキュリティやマネーロンダリングなどに関する問題を、仮想通貨技術の過渡期性ではなく、仮想通貨という存在そのものの欠陥であると指摘する声もあります。
そのため、仮想通貨のブームが去り、投資家が離れて行けば仮想通貨は衰退し、通貨として役に立つものではなくなるだろうという考えが、 仮想通貨に対して否定的な人々の間に広まっています。
一方で、仮想通貨が発展していくだろうと考える人の中には、「仮想通貨は既存の通貨のあり方を根本から揺るがす可能性すらある」という人もいます。
仮想通貨の抱える課題のほとんどはこれからの技術やシステムの改善によって解決できる問題であり、 ブームとして投機目的の購入が減ってからこそ価値が安定し、通貨としてより発展していくという意見もあります。
その際には、今までの「一つの国には一つの通貨しか存在しない」という前提が崩れ、既存の通貨や、 それを発行する中央銀行のあり方に大きく影響するほどになるだろうという予想も立てられています。
仮想通貨はこの先どのように社会を変えていくのか、それとも一時的なブームと混乱をもたらすだけなのか。 どちらにしても、生み出された「仮想通貨」という技術がなかったことになるわけではありません。その技術と社会がどのように向き合っていくのかが、仮想通貨の未来を決める鍵となるのです。