仮想通貨の取引に関する技術的な仕組みを見ていく前に、私達が仮想通貨で商品を買う為にはそのような操作が必要になるのかを理解しておきましょう。
いまから仮想通貨を始めようとしているAさんとともに、仮想通貨を初めてから商品を購入するまでの流れを追っていきましょう。
仮想通貨の種類によって若干の違いはありますが、ここではほとんどの仮想通貨に共通の方法を紹介します。
仮想通貨と一口に言っても、仮想通貨には様々な種類があります。
仮想通貨で一番有名なものと言えばビットコインですが、これはあくまで仮想通貨の一つでしかありません。
「現金」という大きなくくりの中に円やドルなどの種類があるように、仮想通貨にも色々な種類があるのです。
ビットコイン以外の主要な仮想通貨として、Ethereum(イーサリアム)やMonacoin(モナコイン)などがあります。
ビットコインがBTCという単位を持つように、これらの通貨はそれぞれETH,Monaという単位を持っています。
仮想通貨は、顔の知らない相手に対してお金を支払わなくてはいけないため、銀行でお金を振り込むのと同じように、口座を持つ必要があります。
しかし、仮想通貨を利用するには、必ずと言っていいほど複数の口座番号をもつ必要が出てきます。
これらの複数の口座番号を覚え、それぞれの口座に入っている残高をすべて手作業で不可能に近いため、ウォレットという物をつくらなければなりません。
ウォレットとは複数の口座をまとめて管理し、口座にある仮想通貨の残高などの計算を行うツールです。
ウォレットを作成するには、アプリケーションを用いて自分のコンピュータで作る方法と、オンラインのウォレット作成サービスを用いる方法があります。
無事にウォレットを作る事が出来たAさんですが、このままではまだ買い物をすることが出来ません。
Aさんはまだ仮想通貨を持っていないので、仮想通貨を手に入れる必要があるのです。
仮想通貨を手に入れる方法は主に三つに分かれ、「仮想通貨の交換を行っている業者から現金(日本円)で仮想通貨を購入する」、「インターネット上で商品を売るなどして誰かから仮想通貨を受け取る」、「採掘(マイニング)を行う」と言った方法があります。
三番目の採掘については後で詳しく説明するとして、今回は一般の人が最もよく使う、「業者から仮想通貨を購入する」方法について説明していきます。
仮想通貨同士や仮想通貨と現金の交換を取り扱うサービスのことは「仮想通貨交換業」と呼ばれ、2017年4月1日の法律改正によって仮想通貨交換業を行うには国への申請が必要になりました。
登録された業者の一覧は金融庁のホームページから確認することができます。※金融庁、仮想通貨交換業者登録一覧
これらのサービスに登録すると、他の通貨とのレートに基づいて仮想通貨を購入することが出来ます。
さて、ウォレットと仮想通貨を手に入れる事ができれば、後は仮想通貨を相手に支払うだけです。相手に仮想通貨を支払うには、相手がもつ口座の番号を知る必要があります。
相手の口座番号がわかったら、ウォレットの送信機能を使って口座番号と送る金額を指定して支払いを行うことで送金が完了します。
以上が仮想通貨を購入するまでの流れになります。すでにウォレットと仮想通貨を持っていれば、3番だけで支払いを行うことができるため、スマホやパソコンを持っていれば電子マネーのように簡単に仮想通貨による支払いを行うことができます。
もしかすると、テレビなどでスマートフォンでQRコードを読み取って支払いを行っている様子を見たことがある人もいるかもしれません。
それは、何桁もある仮想通貨のアドレスや支払うべき金額などをまとめたデータをQRコードに変換することで、支払う側は専用のアプリを用いて商品やレジでQRコードを読み込むだけで送金が完了する仕組みになっているのです。