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6、「私」にとっての現実世界
「私」は「えたいの知れない不吉な塊」によって
「居たたま」れない気持ちになっています。
その「居たたま」れなさは「私」の心のなかにどのような幻想を
生み出したのかについて書かれているところを探してみてください。
答えは「時々私は……楽しんだ。」までのところです。
そこでは今日とでの現実に対するやり切れなさの為に、
この場所から逃げ出して別の世界に行ってしまいたいという「私」の願望が含まれます。
「私」は「えたいの知れない不吉な塊」に押さえつけられ
「居たたま」れない思いで居る自分の心を「錯覚」の世界で遊ばせようととしているのです。
もとより、「不吉な塊」の原因である「借金」によって「私」は
「錯覚」する以外、「私」自身を救う方法はないのです。
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