〜 ピーターさんへのインタビュー Page. 2
- ストリーミング Part 3 -

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岩間 - それでは、次の質問です。日本人が「アイルランド」と聞くと、「治安の悪く危険な国」という印象があります。

ピーターさん - そうなのかい。

岩間 - それというのも、IRA(アイルランド共和軍)のような団体が起こす過激なニュースしか日本では放送されていないからです。アイルランドは危険な国なのですか?

ピーターさん - 実は、私自身はアイルランドに行ったことはないんだよ。家族の中では、私の父が何年か前に行っただけだよ。そういえば、私の兄弟も最近に行ったかな。ここにポールがいるけど、彼は英国出身だから、私よりも詳しいのじゃないかな。

岩間 - それでは、ギルソンさんに伺います。

ギルソンさん - 君が言っていることはわかるよ。アイルランドが危険な国だっていう印象は、この国に関して日本で注目を集めるニュースが暴力的なものしかないからだと思う。アイルランドの一部では、深刻な事件は起こったとは思うけど、ほとんどの地域は平和的だと思うよ。僕の知る限りではね。実は、僕もアイルランド国内には行った事がないんだ。北部アイルランドでは色々な紛争が起きたみたいだけどね。特に、アイルランドの伝統音楽が演奏されているような場所は平和だよ。うん、北部以外のアイルランド島にはテロなどは全くなかったと思う。イギリスや北部アイルランドなどでは、人が殺されたりすることもあったようだけど。

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- 解説 -

 1949年、アイルランドはイギリス連邦から脱退して独立した。比較的、新しい出来事だ。紀元前600〜400頃にケルト人がアイルランド島に渡り、紀元5世紀に、聖パトリックによってアイルランドにキリスト教が伝わった。その時から、アイルランド人は旧教(カトリック)を信じ、文化的に独自に発展してきました。

1692年に、清教徒革命(ピューリタン革命)でイギリス内の絶対王政を破り、権力を付けていたクロムウェルが、アイルランドに侵略し、イギリスによるアイルランドへの弾圧が始まった。1801年には、アイルランドはイングランド王国に併合されることになり、大ブリテン王国の一部となった。この後から、アイルランド人の独立は侵害されて、文化的・民族的に差別を受けることになった。例えば、アイルランド語(ゲール語)を話すと差別によって職を持てないという理由で、アイルランド独自の言葉のゲール語は消えていった。カトリックだった彼らは、イギリス人から宗教的な理由からも迫害されたのだ。当然、アイルランドの人々は本国イギリスに反感を持つようになり、IRA(アイルランド共和軍)と呼ばれる軍隊が組織され、本国に反抗するようになった。


 1914年、イギリス議会でアイルランド自治法案が可決され、1922年はアイルランド自由国として自治を認められた。1937年には、エール共和国としてイギリス連邦内の独立国となり、1949年にはついにイギリス連邦から離脱してアイルランド共和国として独立した。

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Cultural Topic 〜セイント・パトリックス・デイ〜

 アイルランドの人々は、聖パトリックによってキリスト教がアイルランドに伝わった日を、聖パトリックの日(3月17日)として毎年祝っています。ちなみに、日本に仏教が伝わったのは6世紀(538年)のことですので、土着の宗教に対して外来の宗教が入ってきた時期として、二つの国は似ているでしょう。

  この日にはパレードやパーティが開かれ、アイルランドの国花であるシャムロック(クローバーの一種)をかざる。国色である緑色の服を着る人もいる。世界各地でもアイルランド系移民によるパレードがみられ、首都ダブリンの数倍の規模でおこなわれるニューヨークのパレードはとくに有名です。アメリカにはアイルランド移民が多く存在し、その文化の影響があることがわかる例です。単に、アメリカ人がお祭り好きなのかもしれませんが。


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