私たちは、水問題に対する意識を知るため、また海外と日本では水問題に対する意識に違いがあるのかを知るために、①日本の学生と②メンバーの留学先であるイタリアの学生、メンバーが海外研修で知り合った外国人学生を対象にWebでアンケートを行いました。
水や水に関することについて授業や講義を聞いたことがありますか?
国内の学生に「水や水に関することについて授業や講義を受けたことがあるか」という質問をしたところ、125人中56人である約45%が「いいえ」と答えました。
これはつまり約半数の人が水や水に関することについて授業や講義を受けたことがない、もしくは受けていたとしても記憶に残っていないということになります。
海外の学生の回答では、「水や水に関することについて授業や講義を受けたことがない」と答えた人は66人中24人で全体の約36%でした。日本と比べると少し減るものの、全体の3分の1に相当します。
国内、海外ともに「水や水に関することについて授業や講義を受けたことがある」と答えた人は、水汚染や水不足、河川や海の保護などの授業をあげた人が多いという結果になりました。
ある程度、授業は行われてはいるものの、水問題の重要さを考えると、日本・海外合わせて約半数の人が水や水に関することについて授業や講義を受けたことがない、もしくは受けていたとしても記憶に残っていないということは問題であると考えました。
また、多くの人が主体的に自分の問題として水問題をとらえるにはどうすべきなのか、考えさせられる結果にもなりました。
バーチャルウォーターという言葉を聞いたことがありますか?
また国内の学生に「バーチャルウォーターという言葉を聞いたことがあるか」という質問をしたところ、バーチャルウォーターを「聞いたことがあり、意味も知っている」という人はわずか15%、「聞いたことはあるが、意味は知らない」という人は約14%、残りの71%の人は「聞いたことがない」という結果になりました。
7割以上の人がバーチャルウォーターを聞いたことがなく、意味まで理解している人はわずか15%ということです。
一方、海外の学生へのアンケートでは、日本よりもすこし「聞いたことがない」人の割合が減りましたが、広く知られているとは言えません。
この結果から日本・海外ともにバーチャルウォーターの認知度は低いということが分かりました。
SDGsという言葉を聞いたことがありますか?
同様に国内の学生に「SDGsという言葉を聞いたことがあるか」という質問をしたところ、約半数のが「聞いたことがあり、知っている」と答え、「聞いたことはあるが意味は知らない」人が約7%、「聞いたことがない」人は約45%という結果になりました。
一方、世界95人へ行ったアンケートでは7割以上の人が「聞いたことがない」と答えました。
日本の方が「SDGsという言葉を聞いたことがない」という人の割合が低いものの、日本・海外ともにSDGsの認知度もバーチャルウォーター同様に高くないことが分かりました。
今回のアンケート結果から日本・海外ともにある程度水問題に関する授業やレクチャーは行われているものの、約半数は受けておらず、SDGsやバーチャルウォーターという言葉はいまだ認知度が低く、普及していないということが分かりました。
そこで、環境やSDGsなど、社会的課題や取り組みについて学ぶ場が増えれば、水問題を含めた社会の問題を知るきっかけになるのではないかと思いました。