療養所
現在国立ハンセン病療養所は、北は青森、南は沖縄県宮古島と全国に13施設あり、
それぞれの地域に合わせた療養環境を提供しています。13 施設の総入所者数は、
現在で1215人となっており、 入所者の平均年齢は83.9歳となっています。
青森県青森市 松丘保養園
松岡保養園では、様々な楽しい年間行事が行われています。入所者の方はこれらの行事を楽しみに毎日助け合いながら生きています。
宮城県登米市 東北新生園
東北新生園では、各種の合併症を治療するため、内科や外科、皮膚科、眼科、耳鼻いんこう科、歯科を設置しています。
群馬県吾妻郡草津町 栗生楽泉園(くりうらくせんえん)
「みんなの笑顔が満ちあふれる」を基本理念となっていて、全職員が入所尾者の療養生活を一丸となって支えられています。
また、栗生楽泉園のある群馬県の草津温泉は、古くから万病に効果のある薬湯として全国に名高く、草津の全盛期と言われた文化・文政の頃からハンセン病を病む湯治客も相次いで集まり、ハンセン病者の大集落地として知れ渡っていきました。草津町の一角には「湯之澤」と称するハンセン病者のみの集落が形成され、多い時には800人を超えたと言われています。
現在では、入所者の高齢化が大きく進んでおり、13ある療養所の中で一番の高齢施設となっています。
東京都東村山市 多磨全生園
多磨全生園では、入所者の方の権利を5つ掲げています。
◎ 人格を尊重した医療を受ける権利
◎ 医療に関する十分な説明を受ける権利
◎ 個人情報保護の権利
◎ 診療情報の提供を受ける権利
◎ 検査や治療等の自己決定権の権利
これらの権利が、入所者の方の安心できる環境を作っています。
静岡県御殿場市 駿河療養所
駿河療養所は、土地を活かしたユニークなロゴマークが特徴です。富士の裾野に「Suruga」があり、ローマ字は点在する国立駿河療養所の建物を、富士の上は満天の青空、富士の下は駿河湾をイメージしています。また地域との共生のため外周線は一部空けられています。 入所者の尊厳を重んじ、安心して療養生活のできる環境の提供を目指しています。
岡山県瀬戸内市 長島愛生園
長島愛生園の基本方針は、
1.入所者の名誉と権利をまもります
2.安心で信頼されるチーム医療を提供します
3.介護予防活動によるQOLの向上をめざします
4.職員の教育・研修に努めます
5.ハンセン病の啓発活動を実践します
この5つであり、これらを意識し更なる園の充実を目指しています。
また、文芸関係の行事が特徴的であり、「愛生」を年6回、「点字愛生」を年2回発行していて、創作、詩、俳句、短歌、川柳、随筆等を掲載し、関係機関はもとより一般の方々にも広く愛読されています。
岡山県瀬戸内市 邑久光明園(おくこうみょうえん)
邑久光明園は、瀬戸内海の温暖な気候と四季折々の美しい自然に満ちあふれた環境で、療養に最適の地とされています。1988年、二つの療養所がある長島と本土とは、わずか30mの距離でしたが、潮の速い海峡で隔たれており本土への往き来は船や手漕ぎの舟を使用しなければならず、非常に不便で、この海峡に橋を架けることは長島愛生園と当園の入所者や職員にとって長年の悲願でした。この日、通称「人間回復の橋」とも言われる「邑久長島大橋」が完成し、両園は陸続きとなりました。このことによって邑久光明園れ大きく様変わりしました。
香川県高松市 大島青松園
青松園での入所者の方の療養生活は、単身用か夫婦用かを選べる全室個室制になっていて、安心出来る空間になっています。 また、給食センター・電気・水道・洗濯・環境整備などに関する施設が充実していて、入所者の方の生活サービスが多く用意されています。 日常生活に介助を必要とする人は、不自由者センターという所に入居し、看護師の健康管理や介護員の生活介助を受けながら生活を送っています。 このような様々な環境の中で、雑誌(青松・灯台)の発行、クラブ活動(カメラ・川柳・俳句・短歌・詩歌・囲碁・ゲートボール・盆栽・絵画・陶芸等)があり、多くの人が集まって楽しんでいます。そしてこれらの活動は園内のみに留まらず、地元地域や他の組織団体との交流が行われています。
熊本県合志市 菊池恵楓園
菊池恵楓園では、入所者の方の障がいの程度に応じて不自由者棟、一般寮に分かれています。そのうち不自由者棟の中でもさらに特別重不自由者、重不自由者、中不自由者、軽不自由者に細かく分かれて療養生活を送っており、看護師や介護員がそれぞれの方のニーズに合ったやり方で入所者の方を支えています。
行事としては短歌、俳句、写真、絵画、書道等の文芸活動、ゲートボールやカラオケ、囲碁、将棋などが盛んに行われていて、中でも
鹿児島県鹿屋市 星塚敬愛園
星塚敬愛園の1番の特徴は、社会交流会館がある事です。社会交流会館では、星塚敬愛園の歴史を展示していて、日本で、そしてこの地で何が行われてきたのかを、その時代の人々の日々の営みを通じて、視覚的に学ぶことが出来ます
。
日本におけるハンセン病は「負の遺産」がほとんどであり、ここの展示ではひとりひとりが懸命に生きた証が丁寧に飾られています。病気による差別の歴史が繰り返されないためにも、これらの展示を心に刻んでもらいたい、という園長さんの想いから作られた大切な場所です。
鹿児島県奄美市 奄美和光園
奄美和光園では、入所者の高齢化に伴って不自由度が進み、看護、介護度も一層増大してきています。そのため、定期健康診断を年2回行うなどで入所者の健康管理をして、さらに療養生活を充実させるため誕生会、敬老会、クリスマス会、夏祭り、お花見などの行事のほか、園外へのバスレクリエーションなどのイベントもあります。まあ、同好会としてゲートボールクラブ、カラオケクラブなどが活動しています。中には畑仕事を趣味にしている入所者の方もいて、園内の菜園には季節の野菜や果物が実っており、色とりどりでとても綺麗です。
入所者の多くがクリスチャンで構成されていて、少数派ですが仏教信者もおり、朝夕の祈りを捧げ、穏やかな療養生活を送っています。
沖縄県名護市 沖縄愛楽園
沖縄愛楽園は海が近くにあるということで、他の療養所にはない特別な行事があります。それが津波避難訓練です。愛楽園では実際の津波を想定し、夜間に避難訓練を実施しています。けたたましいサイレンとともに訓練が開始され、真剣な顔持ちで多くの入所者の方が参加しています。他にもコンクリート塀跡、祈りの家教会、監禁室跡、水タンク被弾跡、聖フランシスコ・ザベリオ教会、早田壕、声なき子どもたちの碑など、愛楽園ならではのスポットが多くあり、独特な雰囲気を形成しています。
沖縄県宮古島市 宮古南静園
日本最南端の療養所で、綺麗な海に囲まれているとても綺麗な療養所です。園内には、キリスト教、聖公会、カトリック教会が3つ並んで立っていて、神聖な雰囲気が漂っています。その他にも、弾痕跡、学び舎の碑、ゲートボール休憩棟などがあります。南静園は看護施設もとても充実していて、「常にいたわりと愛情を持って入所者に関わり、安心・安全で入所者中心の看護・介護を提供すること」を理念とし、日々入所者の方に寄り添いながらお仕事をしています。