資料館の方
西浦直子さん
国立ハンセン病資料館の課長の西浦さん。初めてお尋ねしたにも関わらず、とても優しく私たちのインタビューを受けてくれました。
及川ゆきこさん
国立ハンセン病資料館で働いている学芸員の及川さん。インタビューのお願いの電話をした時からとても明るく、資料館の主な案内や説明もしていただきました。
西浦直子さん
本日はインタビューにご協力頂きありがとうございます!五つの質問を考えてきたので、順に質問させていただきます。
では、早速一つ目の質問です。まず、ハンセン病の現状は一体どのようなものなのでしょうか?
はい。まず、今は感染したとしても基本入所しません。しかし、一度出所して社会復帰したものの、世間からの目の怖さから再入所する方もいます。高齢化が進み規模は縮小してはいますが、まだ問題は何も終わっていない状況です。
なるほど。では、次の質問です。ハンセン病の当事者の方々が抱える苦悩はどのようなものなのでしょうか?
第一に、まだ家族との絆が回復されていないことです。その他、将来への不安や、家に帰れないことの心細さなどですね。まだ差別意識は少なからずあり、施設で死んでいくことへの恐怖などを抱えている方が多いです。
ハンセン病は治る病気であったのになぜ差別が続いてしまったのでしょうか?
回復している様子を間近で見ることができなかったからだと思います。一度ついてしまったイメージはなかなか消えないものです。また、情報の匿名性による差別的発言や誹謗中傷も関係していると思います。
誤った情報が広まってしまうのは恐ろしいことですね。では、今日本のことを話していただきましたが、海外ではどうなのでしょう?
はい。海外では、日本より早く治療が行われています。その一方で、社会情勢が不安定だったり、貧しい国や紛争が激しい国ではまだ病気は蔓延しています。また、海外でも日本と同じく差別問題が深刻化しています。
どの国でも同じ問題を抱えているのですね。では、最後の質問です。今、若者たちに伝えたい思いやメッセージなどはありますか?
映画を見たり、本を読んだり、オンラインで当事者の方のお話を聞いたりなどを通して、ハンセン病問題は決して自分と無関係ではないということをわかってほしいです。「同じ過ちを繰り返していないか?」と一度考えてみてください。病むことへの厳しさや孤独、人間の惨さなどを現場に触れながら考えてほしいです。最も大切なのは、「人権問題を他人事だと思わない」ということです。
ありがとうございます。ハンセン病問題は決して遠いものではないということを再確認できました。
質問は以上になります。ハンセン病について、知らなかったことをたくさん知ることができました。
本日はご協力いただきありがとうございました!貴重な体験をさせていただきました!