名古屋税関 中部空港税関支署に行きました
皆さんは、海外からの模倣品がどれだけ日本に入ってくるか考えたことはありますか?日本の模倣品による輸被害額は、特許庁の2020年調査によれば約3.2兆円に達しています
その模倣品とは、偽ブランド品つまり商標権を侵害する物品であり、企業に多大な被害をもたらしてしまいます。
そこで日本で模倣品などを取り締まっている「名古屋税関の中部空港税関支署」様に見学をさせていただき税関について商標権などの権利について学んできました。
皆さんは税関の仕事がどんなものか知っていますか?税関職員の仕事は、国に入ってくる荷物や人をチェックして、法律やルールを守っているかを確認することです。
具体的には、違法な物や危険な物が入ってこないようにしたり、税金が正しく払われているかを見ます。また、輸入される商品が安全であるかも確認する大切な役割を果たしています。
皆さんは中国などから来た商品が模造品だったのを聞いたことはありますか。令和6年3月8日時点では、1674件99932点の物品を差し止めていてその中では中国はからの物が一番多く、令和5年の調査では図のように中国からの差し止め品が80%を超えその中でも、商標権や意匠権を侵害した物品が全体の90%を占めています。
財務省より利用
このように中国からの物品は税関職員も特に気を付けて見ているようで、税関全体で中国からの模倣品を食い止めているのが課題です。税関ではマニュアルを作成したり、セミナーを開催して中国からの模倣品を対策しています。
今回見学していて一番驚いたのは、物品の差し止めについてです。私たちは最初、税関職員は知的財産について完璧に知っていて、違反している物品に目を光らせ随時摘発していると思っていました。ですが実際は企業おおび権利者から「この物品止めてくれ」と申請されたものしか差し止めをしていないということです。つまり、違反している物品を発見しても申請されていない物品の場合は見逃さざるをえないということです。なかには、会社の知名度を上げるためにわざと見逃しをさせている企業もあるそうです。申請をすることで被害を抑えることに繋がります。ぜひ覚えておきましょう。
申請はここから申し込めます。
https://www.customs.go.jp/mizugiwa/chiteki/
入国時などに荷物がどのように検査されるのか。また通関時に、気を付けなければならないことなども学んでいきましょう。出国時の荷物検査の流れは図のとおりです。
手荷物検査、税関検査では「荷物では持ち込んではいけないもの」が多々あり、麻薬や知的財産侵害物品などが禁止されています。
また、税関検査では日本に持ち込む際に税がかかるものもあり調べておく必要があります。これ以外にも税関ではコンテナ船などの荷物の検査や大型X線調査など、不正に持ち込まれる物品を水際で取り締まっています。
皆さんも、ブランド物のバックを買う際などに、ニセモノに騙されないように知識をつけておきましょう。まずはこの二枚の写真を見て、どちらが模造品か見分けることができますか。初見で見抜ける方がいたら、ぜひ税関職員を目指してみてください。
8月19日
名古屋税関にてチームメンバーが撮影
正解はBです。皆さんはAとBの違いが判りましたか?目視だけでは難しかったと思います。主に違う点は、作りこみの凄さです。例えばBではロゴ模様が、布の継ぎ目によって途中で途切れてしまっているのがわかります。あとは、布の質感であったり、継ぎ目の綺麗さなどで違いが生まれます。正規品はちゃんと値段相応の価値があります。税関職員の方はこれを瞬時に見分けて摘発しています。違いの分かる男になりたいですね。近年、模造品のクオリティーも上がってきていて税関職員の方でさえ見分けるのが難しいときもあるといいます。皆さんも、よく検討してブランド品は購入してくださいね。