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雑学8 - 古代ギリシャの発明家「ヘロン」 -

   みなさんは自動ドアがいつ発明されたものか知っていますか?ドアの前に立つと自動で開くドアは、近代の発明だと思われがちですが、その歴史は意外にも古く、紀元前2世紀から1世紀の古代ギリシャにはすでに登場していました。このページでは、発明家「ヘロン」が考案した自動ドアの驚くべき発明についてご紹介します。

  

   古代ローマの属州エジプトにあるアレクサンドリアに住んでいた数学者、ヘロン。彼は紀元100年頃に生きていたとされています。紀元100年というと、今から約2000年前のことなので科学がまだ発展していなかったと思う方も多いかもしれませんが、実はこの頃、「自動販売機」や「自動ドア」がもうあったそうです。それを発明したのが「ヘロン」です。電気すらない古代ローマ時代に、発明された「自動販売機」や「自動ドア」は一体どのような仕組み動いていたのでしょうか。

・自動販売機

   投入口からコインを入れると受け皿にコインが乗る。その重さで弁の役割をする錘(おもり)が上がり、排出口が開くことで聖水が出てくる。コインが受け皿から滑り落ちると再び錘が排出口を閉じて聖水が止まる。


・自動ドア

   空洞の祭壇に火をともし、祭壇内部の空気が膨張する。管から水が押し出され、バケツに水がたまる。バケツの重みでひもを引き、軸を回すことでドアを開ける。


・蒸気機関「アイオロスの球」

   下の密閉された鍋で熱せられた水蒸気が空洞の支柱を通り上段の球に送り込まれることで噴出口から蒸気が吹き出し、その力で球はぐるぐると回転します。


まとめ

   このようなヘロンの発明はその後の自動装置の発展にも大きく影響を与えました。たとえば、日本のからくり人形や欧州のオートマタは創意工夫を積み重ねて作り上げられたものですが、これらのものはすべてヘロンを原点としているのです。