低気圧
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ここでは、低気圧の発生の仕方を説明する。日本周辺に頻繁にみられる低気圧は温帯低気圧という。一方、台風は熱帯低気圧といいその構造も発生の過程も異なる。台風については台風 を参照されたい。 温帯低気圧の発生は極を取り巻くように流れる偏西風と密接な関係がある。 偏西風は、図のように蛇行をしながら北極を取り巻くように吹いている。偏西風の蛇行は数日から数週間の範囲で変化している。 偏西風 へ 右の図1は、ある日の偏西風の蛇行の様子を示したものである。この蛇行がが120時間後どうなったかを示したのが図2である。 両方を見比べてると、画像の中央やや左上の部分で風の流れが変化していることが分かる。 ここで、図1と図2を良く注目して貰いたい。図1の中央上には大きな渦巻きがある。この渦巻きは風の方向(反時計回り)からすると低気圧である。それが120時間後の図2では西から東へ移動してちょうど北海道の真上にある。 ここで思い出しておきたいのは、風は等圧線と平行に吹くということである。上の図の風の線は、そのまま、等圧線の大体の傾向と一致する。 分からない場合は風のこと へ 一般に南の地方と北の地方を比べると南の地方の方が気圧が高く、一方北の地方は気圧が低い。 今この図で、風の向きの線=等圧線(厳密には両者は同じでないが、こう考えるとする)が画面下(南)の方へ蛇行している部分は、周囲の部分と比べると気圧が低いということは分かるだろうか。 では、見てみよう図1、図2ともに風の向きの線(=等圧線)が画面下(南)に突き出ているところの渦の向きが低気圧になっていることが分かるだろう。反対に風の向きの線(=等圧線)が画面上(北)へ突き上がっているところは高気圧になっている。 以上のように、温帯低気圧や温帯高気圧は偏西風の蛇行によって作り出されている。 今の説明で用いた図は低気圧Referencesで入手できる。 |
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低気圧いろいろ 低気圧にはいろいろな種類があります。»温帯低気圧(extra‐tropical cyclone).中緯度帯に発生する低気圧で,前線を伴うのが特徴です。偏西風の傾圧不安定により発生する。高緯度側の寒気と低緯度側の暖気が混ざりあう現象で,寒気と暖気の境目に前線ができます。.前線付近では雲が発生して天気が悪くなります。 極低気圧(polar low).極気団の内部に発生する小型の低気圧で豪雪をもたらすことがあります。日本付近でも,冬季にしばしば発生します。 熱的低気圧(heat low).山間部や盆地の地表面が日射によって加熱されて,地表面付近の気圧が昼間だけ低くなる現象。日本列島では,夏季の本州中央部に発達します。このほか,極を取り囲む高緯度地方の大気循環(周極渦や極夜渦)も低気圧の一種です。 |
»熱帯低気圧(tropical cyclone).熱帯海域に発生する低気圧.温帯低気圧が中緯度帯のどこでも発生するのに対して,熱帯低気圧は発生する海域が限られています。北太平洋西部(日付変更線より西側)で発生するものは台風,北太平洋東部および北大西洋で発生するものはハリケーン(hurricane),ベンガル湾およびアラビア海で発生するものはサイクロン(cyclone)とよばれます。南半球で発生するものは、アフリカの南でサイクロン、オーストラリアでウィリーウィリーなどと呼ばれます。ハリケーンは台風に似るが,年間の発生数は台風より少なく,冬季には発生しません。北太平洋東部で発生するものは西向きに進むために,ほとんど海上で発生し海上で消滅します。カリブ海で発生するものの一部は北アメリカやメキシコに上陸し被害をもたらすことがあります。熱帯低気圧は,渦の中心付近に発生する積乱雲から放出される潜熱が渦巻を発達させる現象で,水蒸気量の豊富な熱帯海域(水温26℃以上)でないと発生しません。その発達のメカニズムは第2種の条件付き不安定(CISK,conditional instability of the second kind)とよばれます。 |
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