世界のハンセン病事情
日本 | エジプト | ブラジル | インド | スーダン | フィリピン | |
---|---|---|---|---|---|---|
2009 | 0 ※ |
700 | 37610 | 133717 | 2100 | 1795 |
2018 | 0 ※ |
407 | 28660 | 120334 | 509 | 2176 |
※毎年新規感染者は数名います。
日本
日本はとても衛生環境が良く医療も進んでいる国なので現在ハンセン病に新しくかかる人は毎年5人を切っています。しかし、療養所における入所者が高齢化する中で施設を記憶からも物理的にも抹消することは絶対にいけないことであるので政府はその方針について考えていかなくてはなりません。
エジプト
エジプトは2009年に新規患者が700人となっていって、WHOの国際基準にようやく達しました。ただ、人口密集地であるナイル川の上流流域では問題が大きく、制圧できていない都市が未だに5つもあります。ハンセン病に関する対策はまだ完ぺきとはいえない模様です。また、これからの課題においては子供の衛生面が問題となっており、うがいや手洗いなどの基本的なことから徹底するように大学や学校に義務付けているそうです。
治療法が確立された現在、ハンセン病は完治が可能であり人口 1 万人あたりの患者数 1 人未満が基準となっている(ブラジルを除く)
ブラジル
ブラジルはインドに続き二番目にハンセン病新規患者が多い国となっています。ブラジルでも日本と同じように「予防」という名の排除を行ってきました。ブラジルにあるアイモレス療養所は歴史遺産となっており、これからは患者を減らすために更なる対処が必要になるでしょう。
また、ブラジルは世界で唯一WHOが定めた国際基準を満たしていません。やはりブラジルは衛生環境があまり良くないので、感染者数がなかなか減らないようです。国同士で助けあって世界全体の患者数が減るように考えなくてはいけません。
アイモレス療養所の写真
インド
ハンセン病患者が一番多い国となっていて、世界のおよそ60%の割合を占めているそうです。患者が道端に腰を掛けて物乞いをするも珍しい光景ではないそうです。インドにはハンセン病となり患者や回復者が暮らすコロニーが700カ所以上あり、それらは全て社会とは物理的にも断絶されていました。今は住民の反対を押し切って道ができるようになりました。
しかし、インドはハンセン病の治療に積極的であり、2016年以降は未制圧化にある県を対象にLCDC(ハンセン病新規感染者発見キャンペーン)を始めました。これは決して発見されたからといって国から差別されるわけではなく、早期発見を目指して行っているものになります。インドでは学校や自治体も協力をして啓発キャンペーンも行っており、毎年ハンセン病の日(1月30日)から二週間ほど「ハンセン病は治る病気で検査も無料である」などというメッセージを発信しています。
インドでは近年首相自らメッセージを発信したりするなど政府が本腰をいれてハンセン病問題に取り組む姿がみられています。
スーダン
スーダンでは昔ハンセン病を含む医療活動をしていたのが、カトリック教会だけでした。内戦が続いていたため治療が難しく、飢餓状態の人がいたりと衛生面も悪かったためハンセン病はどんどん拡大していきました。しかし今では患者数を十年間で4分の1に減らすなど、医療サービスが出来て啓発活動が盛んになりました。 しかし、現地の人々は未だに国からの援助は十分ではないと訴えています。そのため、更なる対策が必要になるでしょう。
フィリピン
フィリピンにあるクリオン療養所は世界最大のハンセン病隔離の島とうたわれています。アメリカ統治の際に衛生問題が深刻な問題となり、当時は天然痘やらとあちこちにらい患者などの病人が道端に放置されていました。今でも、フィリピンは熱射病や狂犬病など様々な感染病が流行っているため、なかなかハンセン病問題に焦点を当てるのは難しく特に、首都であるマニラなどに行くとハンセン病は極めて重要でないとされ、医師の中でもあまり関心がないようです。また、フィリピンは主要国の中で唯一感染症人数がここ10年間で増えており、政府の対応は未だに追い付いていません。