大気汚染の状況
第2次世界大戦後、著しい経済発展とともに深刻な大気汚染が大きな社会問題となりました。大気汚染防止法の制定(1968年)、大気環境基準の設定(1969年より順次)、大気汚染物質の排出規制、全国的な大気汚染モニタリングの実施等の結果、硫黄酸化物による汚染は大幅に改善されました。しかしその後、近年の自動車交通の増加から、窒素酸化物及び浮遊粒子状物質による汚染が課題となりました。
引用元:パブリックドメインQ大気汚染対策
かつて深刻な公害被害を経験した日本では、世界トップクラスの大気汚染対策が行われています。では現在、日本では大気汚染問題に対してどのような対策をしているのか見ていきましょう。
固定発生源対策
私達が社会活動を行なうことによって発生する大気汚染物質の発生源には、工場、事業場などの固定発生源と自動車、航空機などの移動発生源があります。 固定発生源についてはばい煙発生施設、粉じん発生施設から発生する大気汚染物質を除去するために、気体中に浮遊する粒子を分離・除去、重油中の硫黄分を除去、排ガス中の硫黄酸化物や窒素酸化物を除去する技術が開発されています。
移動発生源対策
近年大都市においては、自動車から排出される窒素酸化物、浮遊粒子状物質による大気汚染が著しくなり、その対策が求められてきました。
このような自動車排出ガスに対する対策として、自動車排出ガス規制、低公害車等の普及促進、自動車の効率的な利用や公共交通への利用転換などによる交通需要マネジメント(TDM)、交差点等の局地汚染対策等が進められています。私たちにできること
私たちにできるのは、車をなるべく使わずに電車などで移動することや、車を利用するにしても「交通需要マネジメント」から自動車交通量が多く環境濃度の高い地区に行かないということです。その他にも、私たち一人一人が大気汚染について調べることも問題解決につながります。
引用元:パブリックドメインQ大気汚染防止法
法令番号 昭和43年6月10日法律第97号は、大気汚染の防止に関する法律。
公害
人の生活や財産に支障を及ぼし、健康を損ない、あるいは人の迷惑になる現象や活動など。
移動発生源
大気汚染物質の発生源のうち、発生場所が移動するもの。
固定発生源
大気汚染物質の発生源のうち、発生場所が移動しないもの。
交通需要マネジメント(TDM)
自動車の効率的利用や公共交通への利用転換など、交通行動の変更を促して、発生交通量の抑制や集中の平準化など、「交通需要の調整」を行うことにより、道路交通混雑を緩和していく取組み。