人への影響

台風などによる豪雨災害によって、家を奪われるなどの被害に遭う方が、日本だけでなく 世界にも多くいます。 そして今後豪雨災害が増えていく分、被害も増える可能性があります。 現在、 世界では、豪雨災害を含めた気候変動により、移住を余儀なくされた「気候難民」増加しています。 この ページでは、「気候難民」について説明していきます。

1.気候難民って?

気候難民のイメージ画像

気候難民とは、自然災害や旱魃などの気候変動で故郷を追われる人々のことを言い、 「気候変動の忘れられた犠牲者」 とも呼ばれています。 気候難民は、自国内での移動のみならず、国境を越えた移動も強いられています。 異常な豪雨で作物や家畜の生育に打撃を与え、人々の生活に悪影響を及ぼし、紛争につながる場合もあります。 もちろん、これは、豪雨だけでなく、旱魃、砂漠化、海面上昇などが原因でも同じような状況となっています。

2.気候難民の現状

気候難民のイメージ画像

2010年から2021年の間、アジア太平洋地域で2億2500万人もの人々が、国内避難、国外強制移動を強いられました。 さらに、2020年に発生した気候難民は、紛争などを原因とした難民の約3倍にのぼり、深刻な状況です。 豪雨災害によって気候難民が発生してしまった国の一つとして、ハイチが挙げられます。

ハイチでは、近年の豪雨により、首都近くのアズエイ湖の面積が 拡大、農作物が水に浸かり枯れてしまったり、農村部に住む人々の住居が奪われてしまう事態に陥っています。 農村部に住んでいた人々は、都市部に移動、中には国境を跨いで移動する人もいます。

3.気候難民のこれから

では、年々増加している気候難民の数ですが、 今後どのくらいになると予想されるでしょうか。

オーストラリアのシンクタンクIEPは、2050年までに最大2億1600万人もの人が気候難民となる可能性がある、予想しています! なんとこの数、日本の人口の約2倍!! 即急に、気候変動への対策を私たちはしなければなりません。

国際的にも、気候難民への認識が高まっており、国連やアメリカなどで気候難民の定義の確認を進め、 紛争の難民との待遇の違いを作らないよう、取り組んでいます。

一方、日本で難民に認定される人はわずか44人。その中での気候難民の数は、ほんのわずかでしょう。 難民という言葉が身近ではない日本国内で、どのように人々に、気候難民について理解をしてもらうか、 日本の難民保護対策を十分にするかを今一度考え、気候難民への対応を考えていくことが必要です。

年々増加し続けている「気候難民」。 世界的に深刻化している問題ですが、気候難民について詳しく知っている 人が少ないのが現状です。 このページを読んで、気候難民について興味を持っていただけたでしょうか? 今回、豪雨によって生じた気候難民を取り上げましたが、そのほかにも、旱魃、海面上昇など、 様々な原因があります。そういったものも調べ、気候難民について少しでも知っていただき、 もう1度、自分たちの行動を見つめ直してくだされば幸いです。