コトバ辞典

ここでは心理効果の実験課程を紹介しています

 

 

ハロー効果

「 目立つ特徴が、対象の印象や評価に影響を与える現象」

 

実験主催者

ハロルド・シガール&デビッド・ランディ

 

仕掛け人

・AorBの男女2人組
・A:女性の容姿の魅力度が高い
・B:女性の容姿の魅力が低い
※男性の仕掛け人の容姿は無作為

 

被験者

・男子大学生

 

実験内容

実験室で出会う、AとBの男女2人組の「男性」に対して、それぞれ9段階の魅力評価を行う。

 

質問

  • 男性は賢そうにみえるか
  • 男性は自信に溢れているようにみえるか
  • 男性は友好的にみえるか
  • 男性は才能がありそうにみえるか
  • 男性は刺激的な性格にみえるか
  • 男性は肉体的魅力が高いか
  • 男性はエネルギッシュにみえるか
  •  

    結果

    容姿が優れているAのグループの男性の方が、全体的に評価が高い傾向があった。

    つまり、男性の魅力に対する評価が、隣にいる女性の魅力によって「後光」が差したように高くなった。

    よって、これがハロー効果(=後光効果)と定義された。

    Thorndike, E.L. (1920)

    バーナム効果

    多くの人に当てはまることを言われているにもかかわらず「これは自分のことを指しているのだ」と感じてしまう心理効果。

     

    実験主催者

    フォア

     

    実験内容

    「あなたの心理検査」といった内容でいくつかの質問に答えてもらった。

    その後、偽の「検査結果」を39人全員同じ「内容」で伝えた。

     

    結果

    被験者39人

     

    正しいと思った項目数

  • 5項目 - 1人
  • 8項目 - 5人
  • 9項目 - 5人
  • 10項目 - 10人
  • 11項目 - 9人
  • 12項目 - 7人
  • 13項目 - 2人
  • 被験者のほとんどが、実際には行っていない検査の結果の半分以上の項目を、「自分にあてはまる」と考えた。

     

    アメリカの有名なイベント主催者、P・T・バーナムの発言
    「We've got something for everyone」(誰にでも当てはまる要点というものがある)
    という言葉にちなんで、「バーナム効果」と名づけられた。

    Forer, B. R.(1949)

    バンドワゴン効果

    多数の人が支持している物事に対して、よりいっそう支持が高くなる現象。

     

    実験主催者

    ソロモン・アッシュ

     

    実験内容

    8人中7人サクラを用意する。

    図Aには一本の線、図Bには三本の線があり、図Aの線と同じ長さの線を図Bの三つから一つ選ぶ問題を18問用意する。

    サクラは全員同じ12問だけ間違った線を選び、被験者の反応を確かめる。

     

    結果

    被験者の25%のみが正解を答え続け残りの75%の被験者たちは一回以上同調してしまった。

     

    バンドワゴンとはパレードの先頭を行く楽隊車のことである。

    H Leibenstein (1950)

    認知的不協和

    自分の中に矛盾する2つの認知が生じたときにあらわれる不快感を何らかの手段で解消しようとすること。

     

    実験主催者

    レオン・フェスティンガー ジェームズ・カールスミス

     

    実験内容

    被験者に単純作業をさせ、作業終了後に次の人にこの作業が楽しいとうそをつかせます。

    ここで二グループに分け片方のグループには1ドルもう片方には20ドルをあたえる。

    全行程の終了後に作業が楽しかったかのアンケートを取る。

     

    実験結果

    1ドルのグループの被験者の方が満足度が高く、20ドルのグループの被験者は満足度がとても低かった。

     

    イソップ寓話の『酸っぱいブドウ』の狐もこの心理効果が働いている。

    L Festinger (1957)

    ツァイガルニク効果

    完璧終わったことより中途半端に終わってしまったことの方が覚える。

     

    実験主催者

    ブリューマ・ツァイガルニク

     

    実験内容

    被験者に20個の課題を与え、完璧に終わらせるグループと中途半端なところで終わらせるグループに分ける。

    全部の課題が終わった後、課題を覚えているかのアンケートをする。

     

    結果

    途中で終わらせたグループの方が完璧に終わらせるグループより覚えていた個数の平均が二倍だった。

     

    ツァイガルニクはドイツの心理学者クルト・レヴィンの「人は欲求によって目標指向的に行動するとき
    緊張感が生じ持続するが、目標が達成されると緊張感は解消する」
    という考えのもとこの実験をした。

    B Zeigarnik (1938)

    カクテルパーティ効果

    込み合った場所でも名前をよばれると反応する心理効果。

     

    実験主催者

    エドワード・コリン・チェリー

     

    実験内容

    被験者に左右別々の音声を聞かせ、どちらか一方をシャドウイングするように伝えます。

    音声終了後にどっちの方が覚えているのかテストします。

     

    実験結果

    シャドウイングしていたほうは覚えていたが、何もしてない方は何も覚えていなかった。

     

    電車で寝てしまっても降りなきゃいけない駅で起きれるのはこの心理効果が原因。

    EC Cherry (1953)

    単純接触効果

    おはようと挨拶するだけでも相手に好印象が残る効果。

     

    実験主催者

    ロバート・ザイアンス

     

    実験内容

    トルコ語を全く知らない被験者にトルコ語の単語を読ませ、

    一人目の被験者は同じ単語を25回、

    二人目の被験者は10回、

    三人目の被験者には5回読ませて回数の差による好感度の差を確かめる。

     

    結果

    単語を25回読んだ人のほうが5回読んだ人より何倍もこの単語に好感が沸いている。

     

    現在ではこの効果は10回までしか通用しないとわかっている。

    Zajonc (1968)