ネガティビティバイアス
人はポジティブよりもネガティブに注意を向けやすく、記憶にも残りやすいという心理効果
これは恐ろしいですよ!気分が重く晴れなかったり、嫌われたと思い込んでしまう原因の多くに関与しています!
「ネガティビティバイアス」って読みづらいけど、ネガティブって言葉が入ってるから覚えやすいね。
というか、めずらしくテンション高いね。
これは失礼。このバイアスは、人間という種族と深く関わっています。ちょっとだけ踏み入ってみましょう。
人類とネガティブ
あなたは、以下の3つの特徴にあてはまっていますか?
おそらく、多くの人がNOと答えるでしょう。
では、この3つの特徴に当てはまる人を知っていますか?
そうです。私達の祖先です。
ではもう一つ質問です。
---狩猟採集時代---
祖先A:「ポジティブ思考」
祖先B:「ネガティブ思考」
どちらのほうが生き残りやすかったでしょうか。
現代社会で生きる私達からすると、一見「ポジティブ思考」に見えますが、
正解は・・・「ネガティブ思考」です。
理由を説明しますね。
ケース1)木の実の採集に来た祖先
祖先A(ネガ):「たくさんの果実が実っている木をみつけたぞ!もしかしたら明日になったらなくなっているかもしれないな。全部取っておこう」
祖先B(ポジ):「たくさんの果実が実っている木をみつけたぞ!明日になっても残っているだろうから、楽に持てる量だけ持ち帰ろう。」
ケース2)自分の拠点の近くに、ライオンの巣があると気づいたとき
祖先A(ネガ):「殺されてしまう!一秒でも早く遠くに移動しよう。」
祖先B(ポジ):「見える距離じゃないし、大丈夫でしょ。このあたりは木の実がたくさんあるし、しばらくここにいよう。」
「ネガティブ思考」の祖先Aのほうが生き残りそうですよね。
さらに、ネガティブな印象を受けたものをしっかりと記憶しておく(毒キノコに強烈な恐怖を覚える)力も生き残りやすい要素の一つです。
そして、最終的に生き残った人類のほとんどが、危険を避ける「ネガティブ思考」の祖先です。
私達は、そのネガティブ思考の「子孫」です。だから私達も「ネガティブ」に強烈な執着を覚えているのです。
ほおー。これは納得かも。
次は、わたしたちの生活にどのように影響しているかを具体的に解説していきます。
悪口・ゴシップ
なぜ私達は「噂」「悪口」に敏感なのか。
だれかに悪口をいわれたら「自分はだめな人間なんだ」とおもいつめてしまう人がいるのか。
その心理にはネガティビティバイアスが強く影響しています。
もちろん、自分のことを悪く言われるのは悲しいことです。
ですが、「ネガティビティバイアス」は悪口を実態以上に凶悪で怖いものに見せています。
ニュース
ニュースを見ていると
などネガティブな内容が多いことがわかります。
なんてものは、ニュースの間にはあるものの、なかなか見ないですよね。
これは、ネガティビティバイアスを利用した視聴率の持続を狙っています。
わたしたちはネガティブなものに過剰に注目し、続きが気になってしまいます。
広告
どちらが売れそうですかね。もしかしたら個人によって捉え方の違いはあるかもしれません。
ですが、後者のほうが無意識には強力に作用して記憶にのこります。
ネガティブ広告のほうが訴求力が高く、商品の記憶が残り、多く買われる傾向があります。
今の時代だと、ネガティビティバイアスはいらないよね。どうにか消せないのかな?
気持ちはわかります。ですが、それは非常に厳しいです。
人間の根本的な脳の仕組みが影響しているので、人間のネガティブ要素はどうしようもないのです。
しかし、「瞑想(マインドフルネス)」や「メモ書き(自分の感情を紙に書き出す)」が心の安定に有効だということがわかっています。
ぜひ試してみてください。
まとめ
人間はネガティブなものだ。ということを理解して、自分のネガティブ思考を認めてあげることが大切。
ネガティブな感情がうまれてきたら、落ち着いて「ネガティビティバイアス」にとらわれていると考えよう。