このページではSDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」を解決に近づける藻類の役割について説明します。
現在、世界では多くの生物が絶滅の危機にさらされ、森林などの陸の資源も減少しています。世界の森林面積は約40.3億ヘクタールで、陸地全体の約31%を占めています。しかし、その森林は年々減少しており、2000年から2010年までの平均では、毎年約520万ヘクタールもの森林が失われているとされています。(環境省「自然環境局【森林対策】-森林減少・劣化と違法伐採」より)
また、人間の活動の影響によって生き物の絶滅のスピードは急激に高まっており、1500年以降、世界中で少なくとも680種の脊椎動物が絶滅しています。(環境省「 IPBES生物多様性と生態系サービスに関する地球規模評価報告書政策決定者向け要約(p.26)」より)
このように、人間の開発が進むほど、生物が生きる環境は失われ、陸の豊かさが大きく損なわれているのが現状です。 そのため世界では、植林活動や、生物が安心して生きられる環境づくりなど、陸の生態系を守るためのさまざまな取り組みが行われています。これからは、自然を守りながら人間が生活できる、自然と人間が共存する仕組みをつくることが求められています。
藻類には、短い期間で大量に育成できるという大きな特徴があります。一方で、石油をはじめとする化石燃料や鉱物資源といった地下資源は有限であり、形成されるまでに非常に長い時間がかかります。もしこれらの資源が枯渇してしまえば、私たちの現在の生活は大きく変わってしまう可能性があります。
実際に、確認されている埋蔵量から年間の生産量を割って算出される可採掘年数を見ると、鉄鉱石は約70年、鉛は約20年、銅は約35年、金は約20年、クロムは約15年、石油は約46年とされており、多くの地下資源が100年を下回っています。(環境省「平成23年版 図で見る環境白書/循環型社会白書/生物多様性白書」より)
このような状況の中で、藻類は燃料をつくることができるため、化石燃料の代わりとなる新たな資源として注目されています。また、藻類は燃料だけでなく、飼料や塗料など、さまざまな分野で代替品として利用することが可能です。これにより、森林などの限られた陸の資源や地下資源の使用を減らし、生態系の破壊を防ぐことにもつながります。 一方で、藻類由来の製品は代替品であるため、現時点では既存の製品と比べて性能が十分でない部分もあります。そのため、今後さらに研究や開発を進め、環境を守りながら実用性を高めていくことが重要だと考えられます。