バイオ燃料として

このページでは藻類がバイオ燃料としてどのように利用されているのか、詳しく説明します。

バイオ燃料とは

バイオ燃料とは、植物(農作物、木材、藻類など)や動物の排泄物、生ゴミなどの生物資源(バイオマス)を原料に作られる燃料で、再生可能エネルギーの一種です。化石燃料と異なり、燃焼時に排出されるCO2は、原料の植物が成長過程で吸収した分と相殺されるため「カーボンニュートラル」とされ、地球温暖化対策として注目されています。既存のインフラ(ガソリンスタンドなど)を流用できる種類もあり、化石燃料の代替として利用が進んでいます。

また、バイオ燃料は石油や石炭のように海外からの輸入に頼る必要がありません。現在の日本では、石油や石炭などの化石燃料の多くを他国からの輸入に頼っています。その化石燃料をバイオ燃料に置き換えることができれば、化石燃料の消費削減や日本のエネルギー自給率の向上に役立つでしょう。

SAFについて

飛行機を使用する際に排出されるCO2を削減することが期待されているのが、ジェット機の燃料をクリーンな燃料である「SAF」に置き換えていく取り組みです。SAFとはSustainable Aviation Fuel(持続可能な航空燃料)の略で、使用済みの食用油、植物(トウモロコシやサトウキビ、藻類など)、木くず、古紙、都市ごみなど、再生可能な資源や廃棄物などから作ることができます。日本は2030年までに国内の航空燃料使用量のうち、10パーセントをSAFにすることを目標に掲げています。 藻類の場合、藻類自体が光合成でCO2を吸収し、飛行機によるCO2の排出と相殺されるため、カーボンニュートラルに貢献します。

バイオ燃料の比較

藻類は畑を使わずに育てられるため農産物や他の原料への影響はありませんが、大量生産するには場所とコストがかかります。今後の技術開発が必要です。

木くずや農業残渣は、廃材を利用するため環境負荷が低いですが、コストがかかることや技術的な課題が残ります。

廃食油は、スーパーやお店で使った後の食用油や植物油などと水素を使って燃料を製造します。一部の自治体や店舗では、すでに廃食用油の回収が行われていますが、すべての廃食油を全て合わせても、国内で必要なSAFをまかなうには到底足りません。

農産物はバイオエタノールの製造原料として使われ、世界全体でサトウキビ(67%)、トウモロコシ(27%)がほとんどを占めています。バイオ燃料の生産が活発になれば、穀物価格の高騰や食料不足家畜の飼料として利用できる量が減るなどのリスクが生じる可能性があります。

また、バイオ燃料の普及が進むとともに、原料の生産拡大による森林伐採が進む可能性があります。 具体的には、木材利用のための違法伐採や、原料を生産するための放牧地拡大、サトウキビ生産拡大などです。 実際に、ブラジルのアマゾン熱帯雨林減退の原因が、サトウキビの生産拡大ではないかと指摘する声もあります。サトウキビ生産拡大により、大豆生産が北へ追いやられることで森林伐採へ間接的に影響しているとされています。

ごみ(都市廃棄物)からは熱と化学反応を利用して廃棄物を燃料に変換したり、微生物や酵素の働きを利用して廃棄物を分解・変換する方法で燃料を作ることができます。ごみの分別が不十分だったり、収集・運搬や、燃料にするまでの過程にコストがかかることが課題です。

それぞれのバイオ燃料には課題がまだまだありますが、未来の地球環境を守るために、これらのエネルギーを選んでいくこと、資源を無駄にせず、ごみの分別もしっかり行っていくことが私たちにできることだとわかりました。