| 財政が悪化した国によってユーロを使っているほかのユーロ圏の国にも影響が広がらないように、対策をしなければいけない。
まず財政を再建するためには、ある程度財政基盤の強い国による支援が必要なのだ。
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| よくニュースでフランスやドイツが頻繁に話し合っている報道をよく見かけるね。 |
| ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ前大統領の「メルコジ体制」という言葉も聞いたことがあるよ。 |
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そうだね。それに、EUには、欧州金融安定基金(=EFSF)と言って、ユーロ圏の国を支援するための基金があるのだ。
これらの協力によって、PIIGS諸国に対する「緊縮策」が行われたのだ。
ところがこの緊縮策、多額のお金で支援する代わりに、ある条件を満たさなければいけないのだ……。 |
財政再建するには、外部からの支援が必要ですね?しかし、支援だけでなく財政再建も同時に行う必要があります。
それらを強く推し進めようとしたのが、財政に関わる問題を扱う機関、とくに、ECBやIMF(国際通貨基金)、それにEUの中心的存在を高めているフランス、ドイツなどです。 これらは、緊縮策を容認する代わりに、
・国防費(=国の軍の維持費など)や公共投資を減らし、歳出(=支出)の削減に努める。
・年金の支給額(年金がもらいる額)を減らす。
・公務員の人数を1万人程度減らす。
・増税の実施
※ギリシャの場合
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といった、厳しい条件を突きつけました。
しかし、ヨーロッパで最初に財政悪化となったギリシャでは、政府や議会が受け入れに容認する姿勢となったことから、
ギリシャの国民が激怒し、大規模なデモまで起こってしまいました。
緊縮策で一番苦しむのは国民であるからです。失業率が高いギリシャにさらに追い打ちがかかると心配する人もいました。
さらに、2012年5月に行われた議会選挙では、国民の投票により、
緊縮策受け入れ容認派の政党が過半数を取れなくなり、翌月再選挙をしてようやく終息する混乱もありました。
| ギリシャをはじめとしたPIIGS諸国はユーロ圏の中で足を引っぱる存在になってしまったね。それならばユーロを使うことをやめたほうがいいのだと思うなあ…。 |
| いや、そういうわけにはいかないのだ。 |
| どうしてですか。 |
| ユーロを使うことをやめる、すなわちユーロ圏から離脱することは、ユーロ圏をまとめる組織は財政基盤が弱い国を救うことができなかった、ということを表してしまうのだよ。その結果ユーロに対する信頼と価値を落としてしまう恐れもあるのだ。それに当事国では自国独自の通貨を使うことで、それまでのユーロに比べて価値が弱い通貨に切り替わることで、国内の経済に大きなダメージを与えてしまう。お互いに悪影響が出るのだ。 |
| それに残っている借金も問題ですね |
| そうだ。借金(=債務)を返さないでそれを帳消しにすることを債務不履行もしくはデフォルトというが、そんなことが起きたらお金を貸していた主にも影響してしまうね。高がユーロ離脱だけではすまされないのが、歯がゆいところだね。 |
Column ドイツの国民は政府のギリシャなどへの支援をよく思っていない!
ドイツ国民は献身的な人たちが多いのに対して、ギリシャ国民はおおらかな人が多いです。 ]
そのため、ドイツ側はギリシャへの支援に不満を持つ人もいます。それでもフランスやドイツが手を貸すのは、先述したとおりです。
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