フラ・アンジェリコ
(Fra Angelico)(1387/1400年 - 1455年)
フラ・アンジェリコは、フィレンツェ近郊のヴィッキオ出身で、15世紀前半(ルネサンス初期)のフィレンツェを代表する画家です。
フラ・アンジェリコ(天使のような画僧)という名前のとおり、人格者としても有名です(本名はグイード・ディ・ピエトロ)。生れた年は正確にわかっていませんが、1387年か1400年に生まれ、1420年前後にドミニコ会の修道士(僧)になったと考えられています。修道名(僧としての名前)をフラ・ジョヴァンニ・ダ・フィエーゾレと決めたことが1423年に本に書かれています。フラ・アンジェリコはドミニコ会修道士であったため、創られた作品は宗教がテーマの物だけです。
フラ・アンジェリコは師であるゴシック絵画の巨匠ロレンツォ・モナコから勉強し、ゴシック的な豪華で美しい表現に加えて、ルネサンス初期の三大芸術家のひとりマサッチオの作品から空間・人体の立体的描き方を勉強しました。そして、この二つを組み合わせ、きれいな色彩を使って人物を描くというフラ・アンジェリコ独自の画風を完成させました。
また、フィエーゾレのサン・ドミニコ修道院の院長をしていました。フィレンツェの事実上の支配者だったコジモ・ディ・メディチは、フィリッポ・リッピと共に彼をお抱え画家としました。フィレンツェのほかローマ教皇エウゲニウス4世の招待でローマでも制作しました。
現存する作品120点の内、45点は本物の作品と確認されています。しかし、工房で描いた作品も多いため、判別は難しいと言われています。
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三位一体 サンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂
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