近所には母国の専門学校がないから日本の学校に行くしかなくてつらい。
Today現状はどうなっているの?
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日本語指導が必要な子どもの半数近くが外国人散在地域、つまり1つの市町村あたりに外国人の子どもが5人未満しかいない地域に住んでいる。
(
文部科学省「「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成30年度)の結果について 」p.11
より)
- 自治体は予算も人材も確保できないために支援に消極的になってしまう ( 田中宝紀 「外国人散在地域に暮らす外国にルーツを持つ子どもの孤独」 NPO法人青少年自立援助センター/YSCグローバル・スクール/田中宝紀 (IKI TANAKA), 2015年9月28日 より)
- 外国にルーツを持つ子どもたちに関わる教員の数も少ないため、その教員だけが困難を抱えて孤立しがちになる。 結果として問題が表面化しない。
Solutionどういう解決策があるの?
自分の学校に日本語を教える先生がいなくても支援を受けられるようにする
「拠点となる学校を設けてそこから指導教員を派遣する方式」か、もしくは「移動するのは指導者でなく子どもたちで、拠点となる学校に子どもたちを集めて初期的な日本語教育を短期集中で指導する方式」を設ける。
しかし、前者では一日のうちに一人の先生が複数の学校を回ることになるので、移動時間にコストがかかったり一人当たりの支援時間数が短くなってしまう。
後者では同じ境遇にある子どもと出会うことができ、孤独感が解消される一方で、電車やバスが充実していない地域だと親の送迎が必要になるため、車の運転免許を持っていなかったり、親が働いていて忙しい家庭は通うのが難しい。
また、このような方式でも対応できない場合は情報通信技術(ICT)を利用してスクールや塾の授業をライブで配信することも解決策として考えられる。
(
田中宝紀 「日本語がわからない子ども、「この学校に1人だけ」43%-外国人散在地域の子どもの日本語教育をどうすべきか考えた」
NPO法人青少年自立援助センター/YSCグローバル・スクール/田中宝紀 (IKI TANAKA), 2016年2月3日
より)
散在地域の教員同士が事例を共有・相談しあえるようにする
散在地域での支援が充実しない理由として、教員や学校も対応の仕方がわからず戸惑ってしまうことが挙げられる。
少数の教員だけで問題を抱え込んでしまうため、事例の積み上げや一般化が進まず、教員間での問題解決のための方策の共有が難しい。
結果として、別の学校にまた一人外国にルーツを持つ子どもがやってきても前例が共有されていないので対応に困ってしまうのだ。
教員らによる研究会等も立ち上がりにくい。
そこで、散在地域の学校同士で集まろうという動きもみられ始めた。
例えば、「岩手大学国際交流センター地域日本語教育支援事業-日本語学習支援ネットワーク会議in IWATE」では、地域性の共通する東北地方全体で関係者が話し合い共に考える機会を持ちたいと考えた有志が集い、実行委員会を組織している
(
内海由美子 ・ 横沢由実(2008)『日本語指導が必要な外国人児童生徒散在地域における支援のあり方について ―「日本語学習支援ネットワーク会議07 in YAMAGATA」の開催から見えてきたこと―』(CORE)
より)。
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ネットで外国にルーツを持つ子が集まる教室を見つけたけど、家の近くになくて通えなかった。