Today現状はどうなっているの?
- 「いやな顔をされるかもしれない」と周りの人に遠慮して、わからないことがあっても言えなくなってしまう。 日本語を喋れるようになっても、学校では「間違えたらバカにされるかな」と思ってしまい、喋らなくなる。 また、友達同士の関係だけでなく、教員が厳しく、いじめられているように感じて恐ろしかった、教員の誤りを指摘すると嫌な顔をされた、などというように教員との人間関係に苦労する人もいる。
- 何か言われても単純な言葉でしか返答できないのでけんかやトラブルになりやすい。 あとから話せばただの勘違いだったということも。 その結果、自分の気持ちを抑えてバリアを張るようになってしまう子もいる。
- 友人関係の構築の仕方が母国と日本で違うため、友達づきあいに戸惑ったり困難を感じたりする
英語の先生に嫌な顔されて。
やっちゃいけなかったのかなってちょっとその時思って、
それから間違いがあっても、もう言わなかったんですけど、なんかその先生に嫌われてる気がしました。
(
矢元貴美(2018)『フィリピンにルーツを持つ子どもたちの困難―日本の学校で学ぶ子どもたちに焦点を当てて―』p.5(宮城学院女子大学機関リポジトリ)
より)
(日本に来てから)クラスメイトの『あほ』とかけなしている言葉は早くに分かるようになった。
いやなことを言われていることがわかったから、言い返したかったけど、日本語ができないから、手を出した。
そしたら、担任の先生が『謝りなさい』と理由も説明できない自分をクラスメートみんなの前で謝らせた。
(
金宣吉・志岐良子(2014)『外国にルーツを持つ子どもへの「学びの保障」がもたらすもの : 神戸市におけるKFCの進学支援の実践から(<特集>外国人生徒のキャリア形成とボランティア)』p.7
より)
今日は話さないでいようと思うような時もありました。
おはよう、だけ言って、あとは何も言いませんでした。そういう日が続く時もありました。
(
矢元貴美(2018)『フィリピンにルーツを持つ子どもたちの困難―日本の学校で学ぶ子どもたちに焦点を当てて―』p.5
より)
文化で困ってたことは、馴れ馴れしいっていう感覚が、私フィリピンではなかったので。
友だちから説明してもらった時に、そういう考え方あるんだって思って。
(
矢元貴美(2018)『フィリピンにルーツを持つ子どもたちの困難―日本の学校で学ぶ子どもたちに焦点を当てて―』p.5
より)
Solutionどういう解決策があるの?
国際学級・日本語学級で日本語が得意でない子どもたちへのサポートを
国際学級・日本語学級とは、日本語が得意でない子どもたちのために、ひらがなやカタカナなどの基礎を教えたり、簡単な日本語を使って授業を進めていくクラスのこと。
普段の授業の中で支援が必要な子を「取り出し」して授業を受けさせたり、放課後に対象の子を集めて補習のような形をとったりなど、その形式は各学校・自治体でさまざま。
日本語が全く話せない状態でやってきた子には、まず「サバイバル日本語」という学校生活で必要な緊急性の高い言葉やひらがなから教える必要がある。
また、この学級は支援そのものだけでなく、外国にルーツを持つ子どもたちが同じような背景を持つ仲間を見つけ、孤独感を解消するきっかけを作る場としても重要な役割を担っている。
しかし、問題なのがその支援はどこでも受けられるわけではないということだ。
外国にルーツを持つ子どもが少ない地域(散在地域)ではそもそも日本語学級が学校にない場合が多い(別ページ参照)。
また、教える人材もボランティア頼みの部分が大きい。
クラスで受け入れられる雰囲気づくり
国際学級・日本語学級に頼るだけでなく、その子がいるクラスでの雰囲気づくりも重要だ。
「みんなは言葉が分からない国の学校に入ったら、どうしてほしいですか」という質問にクラス全員で考える、その子に育ってきた環境や生活習慣などの体験談を話してもらう
(
文部科学省「外国人児童生徒受入れの手引き」
より)
など、クラス運営の方針を担任向けに示した手引きが各自治体で独自に作成され始めている。
Opinion私たちの意見
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言葉が通じないから周りの人が何考えてるのかなんて読めないし、 相手の表情で判断しようとしてるんだけど、それでも自分がなんか言っていやな顔されるとへこむ。