Q & A

5Gに関して皆さんが抱いているであろう「ギモン」に分かりやすく答えていきたいと思います。

このページに載っている質問は、神奈川大学付属高等学校の高校二年で、アンケートで寄せられたものを含みます。アンケートのご協力、誠にありがとうございました。

  • 通信料金は値上がりする?

    これからは全体的に、大容量で安い料金プランが増えると考えられます。NTTドコモは2020年12月、5G対応の新料金プラン「ahamo」を発表しました。月20GBで2,980円/月(税抜)のこのプランは、これまでのドコモの料金プラン「ギガライト」が、5GBで2,980円だったことを考えると、1GBあたりの料金が圧倒的に下がることが分かります。これに伴って、他社も値下げを打ち出してくるとみられます。
    高速・大容量を特徴とする5Gの普及によって、モバイル通信における1GBあたりの費用(データ単価)が下がるため、これからは通信無制限や大容量の料金プランを、これまでと同じか、あるいはより安い価格で利用できるようになるでしょう。

  • 全国的な普及はいつ頃から?

    2020年11月現在、本格的な展開時期はどのキャリアも2021年度以降としており、 総務省 総務省 日本の行政機関の一つ。日本の社会を支える基本的なシステムを管理しています。 のロードマップ[1]を見るとわかるように全国的に5Gが利用可能となるのは、大阪万博を開催する2025年頃になると思われます。キャリアごとの展望を見てみると、ドコモは2020年11月上旬に、5G通信の を2023年中に約97%にすると目標を提言しました[2]。一方で、KDDIとソフトバンクは2022年度末で 基盤展開率 基盤展開率 5G通信の核となる基地局(親機)を設置した区域の割合を示す指標。 を1万機にまで増やすことを目標[3]とし、更にソフトバンクは2021年度末までに90%の 人口カバー率 人口カバー率 全国でカバーできたメッシュの達成率を表す指標。 を目標[4]とするなど、ドコモよりも早い展開を打ち出しています。

  • 5Gが普及したら4Gはどうなる?

    4G終了までのロードマップがどのキャリアもできていないため具体的な終了時期は示されていませんが、5Gに完全移行して十数年で4Gは停波となるでしょう。2026年に終了が決まっている3Gは4Gのサービスを開始した2010年から16年間稼働し続けているため、4Gも終了は15年以上先になるのかもしれません。また、5Gの通信の一部で4Gの技術を使っているため、その一部が完全に5Gに移行するまでは4Gが終了することはないでしょう。

  • 二時間の映画を3秒でダウンロードできるって本当?

    本当です。しかし、2020年11月現在の環境で、実際に3秒でダウンロードできる映画は2時間映画で HD画質 HD画質 横1,280px × 縦720px前後の解像度を持った映像のこと。 以下のものとなるでしょう。将来的に5Gの設備が全国的に整えば3秒で HD画質 HD画質 横1,280px × 縦720px前後の解像度を持った映像のこと。 の映画をダウンロードできるかもしれません。

  • Wi-Fi Wi-Fi 固定回線を有線接続できない機器に対して無線で接続するために作られた通信規格。 は必要なくなる?

    将来的に不要になるでしょう。2020年11月現在の Wi-Fi Wi-Fi 固定回線を有線接続できない機器に対して無線で接続するために作られた通信規格。 の最新のもので理論値9.6ギガビット毎秒の通信速度なのに対して、数年後に普及するであろう ミリ波 ミリ波 30~300GHzの周波数の電波のこと。 を用いた5Gの通信は理論値20ギガビット毎秒と、約2倍の速度で通信が可能となります。

  • Sub6 Sub-6 6GHz未満の周波数の電波の総称。 」と「 ミリ波 ミリ波 30~300GHzの周波数の電波のこと。 」って何が違う?

    周波数の帯域 周波数帯域 電波の周波数の範囲のことを周波数帯域と言います。 が違うため、通信速度や遅延の大きさに違いがあります。 Sub6 Sub-6 6GHz未満の周波数の電波の総称。 は3.6GHz~6GHz未満の帯域、 ミリ波 ミリ波 30~300GHzの周波数の電波のこと。 は28GHz~300GHzを利用します。
    周波数が高いほど 帯域の幅 周波数帯域 電波の周波数の範囲のことを周波数帯域と言います。 が広くなりよりよい通信が行えます。とりあえず、周波数の値が大きければ電波の通る幅が広くなり、送れるデータの量が増えるということだけが分かっていただければ良いと思います。
    周波数の値の大きい ミリ波 ミリ波 30~300GHzの周波数の電波のこと。 では通信が大容量なため通信速度が速く、遅延がほぼない一方で、障害物の影響を受けやすく、電波の届く範囲が狭いという特徴があります。
    4Gの時とあまり周波数の値が変わらない Sub6 Sub-6 6GHz未満の周波数の電波の総称。 は、通信範囲が大きく、今までの技術の転用で通信環境を簡単に整えられる一方で、通信速度において ミリ波 ミリ波 30~300GHzの周波数の電波のこと。 とでは大きく劣ります。

  • 5G対応のスマホと非対応のスマホの違いは何?

    スマホ内のアンテナに違いがあります。5G対応スマホでは、5Gの技術のページで紹介したキャリアアグリゲーションや ミリ波 ミリ波 30~300GHzの周波数の電波のこと。 の電波に対応しています。
    ちなみに、まだ ミリ波 ミリ波 30~300GHzの周波数の電波のこと。 を使える範囲が狭く、既存の 周波数帯 周波数帯域 電波の周波数の範囲のことを周波数帯域と言います。 で5Gが運用されているため、2020年11月現在5Gに対応している端末のほとんどが ミリ波 ミリ波 30~300GHzの周波数の電波のこと。 には対応していません。5Gに対応したと話題になったiPhone12も ミリ波 ミリ波 30~300GHzの周波数の電波のこと。 は対応していません。

  • 超高速の通信で、通信制限は大丈夫?

    将来的に通信制限はなくなりますが、2020年11月現在の5Gの普及範囲では通信制限は無くならないでしょう。
    ドコモ、ソフトバンク、KDDIの大手キャリアと楽天は現在、無制限の通信は期間限定や範囲限定、動画&SNS限定など条件を設けた形の契約プランでしか用意しておらず、私たちはまだ、通信容量を気にしてスマホを使う必要がありそうです。