電波の仕組み

電子機器などが情報を伝達する方法には、電波、 光ファイバー 光ファイバー ガラスなどでできた人工繊維。有線の通信に利用されている。 赤外線 赤外線 電磁波の一つ。周波数は電波の周波数よりは高く、可視光より低い。 などがあります。中でも5Gの通信に使われるのが電波です。このページでは、電波がどのようにして情報を伝えているのか解説します。

電波とは

電波とは、空間を伝わっていく電気エネルギーの波のことを言います。ご存じの通り、目で見たり、肌で感じることはできません。

電波は音と似た性質を持っています。たとえば、スピーカーから音が出るように、電波にも発生源があり、離れれば離れるほど電波は弱くなります。薄い壁であれば通り抜けることもできます。やまびこのように、物に跳ね返ることもできます。

電波の伝わるスピードは、音とは比べ物になりません。電波は光と同じ約30万km/sのスピードで進みます(ちなみに音は約0.3km/s)。電波の伝わるスピードは、4Gでも5Gでも変わらず常に一定です。

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周波数とは

高い音と低い音があるように、電波にも高い・低いがあります。「周波数」といい、電波が一秒間にいくつの波があるのかをHz(ヘルツ)という単位で表します。この周波数は電波に限らず、音波や交流電流など様々な「波の数」をあらわすのに使われています。似たような言葉に「 波長 波長 波一つ分の長さのこと。周波数と反比例する。 」がありますが、混同しやすいのでここでは解説しません。

例えば、一秒間に3個の波がある場合は「3Hz」、6個の波がある場合は「6Hz」とあらわします。

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電波は周波数によって性質が異なります。

周波数が低いと・・・
  • 広く、遠くまで届く
  • 障害物を通り抜けやすい
周波数が高いと・・・
  • 狭く、近くまでしか届かない
  • 障害物に吸収されやすい

このように電波は周波数によって異なる特性があるため、用途ごとに使う周波数が決められています。また、電波は用途によって使って良い周波数が「 電波法 電波法 電波を公平に使うための日本の法律。 」という法律で決められています。違反した場合、「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となります。

電波の周波数についてはこのサイト中で何度か出てくるので覚えておきましょう。

電波で情報を伝える仕組み

携帯の通信では、データはすべて「0」と「1」で表されます。前のページで見たように、データはデータセンターからスマホに到達するまでずっと0と1です。では、どうやって0と1を 基地局 基地局 インターネットなどのデータを電波に変換してスマホなどに送信するための施設。 で電波に乗せているのでしょうか。

0と1のデータを電波に乗せることを「 変調 変調 データを伝送する際に、情報を電気信号に変換すること。 」と言います。 変調 変調 データを伝送する際に、情報を電気信号に変換すること。 には様々な方式がありますが、ここでは携帯の通信などで広く使われる「位相偏移変調」という 変調 変調 データを伝送する際に、情報を電気信号に変換すること。 方式について解説します。

位相偏移変調方式では、電波の波の形をパターンごとに0と1を割り当て、電波を送信します。携帯電話が電波を受け取ると、その電波の波形によって0と1を次々に読み取り、データを受け取ることができるというわけです。

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実際の通信ではこれよりもさらに多い波形のパターンに、より多くの情報を割り当て、通信の高速化を実現しています。ただ、この 変調 変調 データを伝送する際に、情報を電気信号に変換すること。 の基本的な方式は4Gも5Gも変わりません。