海外での事故事例


欧米での事故の前例

日本ではここ10年以内で、インフラの老朽化による事故が増えています。そんな中、海外でも現在の日本に先走さきばしりインフラ老朽化が社会問題となっていた国があります。 その国はアメリカです。

1929年、ニューヨーク証券取引所しょうけんとりひきじょ株価かぶかが大暴落しました。 その後、大統領選にてフランクリン・ルーズベルト氏(以下:ルーズベルト)が当選しました。ルーズベルトは、不況ふきょうであるアメリカを即急に立て直す必要がありました。 そこでルーズベルトが打ち立てた政策が『ニューディール政策』です。 ニューディール政策では、失業者であふれかえっていたアメリカの公共事業を拡大させ、働き口を広げました。 その事業内容の中には、ライフライン整備もあり、大規模なインフラ整備が進められました。
このように一斉に整備が進められたインフラは例のごとく、老朽化も突然、拍車はくしゃがかかります。 アメリカで老朽化が深刻化したのは、1980年代です。 それは人々の生活に様々な悪影響を与えました。 例えば、スクールバスで通学する学童が、橋梁きょうりょうの重量制限のため迂回路うかいろを通らなくてはいけなったり、 橋の手前でスクールバスを降りて橋を歩いて渡ることを余儀よぎなくされたりしました。 そんなアメリカは『荒廃こうはいするアメリカ』と呼ばれました。

最後にアメリカで実際に起こった事故を紹介したいと思います。

事例3【シルバーブリッジ崩落事故】

時期:1963年12月中旬

場所:アメリカ・オハイオ州シルバーブリッジ

概要:オハイオ州とバージニア州を結ぶシルバーブリッジが突如とつじょ崩壊。
1年を通してクリスマスショッピングで最も混雑する時期だったので31台の車両が巻き込まれ、 46人死亡、18人負傷の事態に陥った。橋の基本構造である吊り橋板チェーンの老朽化による欠損けっそんが崩壊の原因であることが判明した。