メンテナンスの意義
我々が普段から利用しているインフラの多くは、50年以上前から始まった高度経済成長期に建設されたものです。
対して、インフラの寿命は一般に50年といわれています。しかし、メンテナンスは計画的に進められているわけではありません。
経済的に勢いがある時代に建てられた膨大な数の建築物に加え、労働人口の減少によりメンテナンスが追い付かないいのが現状です。
そんな中、インフラのメンテナンスを効率的に行うため、様々な最新の技術が開発・導入されています。
最新技術
RTK(Real Time Kinematic)測位
RTKとは『相対測位』ともいわれ、測定方法の一つです。RTKは衛星を活用しての位置情報を取得する技術であり、
正確な位置情報を必要とするドローンの自動航行や、
農業機械の自動運転などに活用されています。
5G(第5世代移動通信システム)
通信機械の活用と5Gの組み合わせによって、5Gも技術の発展につながっています。
ドローンや点検車両などから得られた映像を5Gの超高速・超低遅延の回線で送信することで、リアルタイムの監視が可能です。
従来の通信技術では困難だった高解像度の映像のリアルタイムな伝送は、AIによる画像診断とあわせることで高精度な監視の実現に寄与しています。
マルチコプター
従来、橋梁点検車での近接目視だった道路橋点検を、マルチコプターにより現地への人員導入が不要になりました。具体的な数字を挙げると、
作業時間は4時間から1時間へ、人員数は、1日に3人必要だったものを、5日に2人にと、とても効率的になっています。また精度・品質の向上も図ることができます。
最新技術の導入状況(国交省管轄)
令和3年、国土交通省が、所轄の11分野を対象に、インフラの点検・診断などの業務における施設管理者の新技術等の導入状況調査を実施しました。
その結果、令和元年度調査時より11%多い、46%の管理者 が導入していることが分かりました。
また、都道府県・政令指定都市では99%、その他の市区町村では40%弱という素晴らしい結果に加え、その導入率も年々上がってきています。