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食品ロス問題って?

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 食品ロスって、よく聞くけど、実際のところ、どのような悪影響があるのかよく分かりませんよね。 食べ残しをしていると、「もったいない」とよく言われますよね。 「このくらい残したって何も変わらないよ」そう思うかもしれません。
 実は、「もったいない」だけではないのです。 「これくらいなら・・」その気持ちの積み重ねで食品ロスは、深刻化しているかもしれません・・・。 今回は、食品ロスとは?から、食品ロスがずっと続くとどうなるのかなどについてまとめてみました。 では、まず「食品ロスとは」についてみていきましょう。
食品ロスとは
 まだ食べられるのに、捨てられてしまう食べ物のことを「食品ロス」といいます [21]。
 「食品ロス」の量は年間 523 万トンになっています。(令和3年度推定値) 日本人の 1 人当たりの食品ロス量は 1 年で約 42kg です。 これを1日あたりで計算すると、 日本人1人が毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てていることとなります。 そう考えると、相当な量が捨てられていることが分かりますよね [22]。 しかし、食品ロスがなぜそんなに悪いのでしょうか?
お茶碗一杯分のご飯
食品ロスによって引き起こされる問題点
食品ロスによって引き起こされる問題点は、
・地球温暖化を促進させている
・温室効果ガスが発生している
・無駄なお金がかかっている
・⾷料問題
などが考えられます。
地球温暖化を促進させている
 悪影響の一つとして、地球温暖化を進行させていることが挙げられます。
 日本は、ゴミを焼却しています。 日本がゴミを焼却する理由として、「国土面積がせまい」ことと「衛生面を考慮して」が挙げられています。 食品ロスでのゴミの量は相当なものとなっています。 また、焼却される際には、大量の二酸化炭素を排出しています。 それが地球温暖化を進行させているのです。 まだ、食べられるものなのにそれを焼却することで、より二酸化炭素を発生させています。
ゴミを燃やしている
 さらには、ゴミを運搬する際にも、二酸化酸素を排出しています。 日本は、焼却処分を行っていますが、世界規模で見てみると、埋立処分をしている国があります。 埋立処分では、メタンガス(地球温暖化を促進させる温室効果ガス)が大量に発生しています。 上記のように、食品ロスは、地球温暖化を促進させているのです。
ゴミ収集車
⾷品ロスで発⽣する温室効果ガス
 食品ロスで発生している温室効果ガスの量は、かなり多く、 国連食糧機関(FAO)によると、世界全体では食品ロスだけで年間 4.4 ギガトンもの温室効果ガスを排出しているのです。
*G(ギガ)・・基礎となる単位の 10 の 9 乗倍の量を表す
 日本が飛行機や自動車などを含めて排出する二酸化炭素は、約 1.2 ギガトン。 世界の食品ロスだけで、日本の年間二酸化炭素量の3倍を排出しています。
国連食糧機関(FAO)イメージ図
たくさんの二酸化炭素
⾷品ロスにかかる無駄なお金
 日本は海外諸国に比べて食料供給に対する国内生産の割合が低く、 食料の多くを輸入に頼っています。 ですが、日本は先ほど述べたように、まだ食べられる多くの食品を捨てているのが現状です。
 ⽇本での⾷品ロスは、2つに分けられています。 1つ⽬は、コンビニやスーパーの売れ残り、廃棄商品や飲⾷店での⾷べ残しなどの事業系⾷品ロスです。 2つ⽬は、家庭での⾷べ残しや⽪のむき過ぎなどの家庭系⾷品ロスです。 その内訳は、⼤まかに⾒ると半々で、事業系⾷品ロスがやや⼤きい割合を占めています [21]。
 ⾷品ロスから発⽣した廃棄物は、焼却処分されています。 焼却処分するための経費は、税金が使われています。 令和元年度のごみ処理事業経費は、約 2.1 兆円で、ここ数年で横ばいの状況にあります。 食品ロスは、食費を無駄にし、さらに、それを廃棄するのにもお金がかかっているのです。 食品ロスを減らすことで、税金の無駄使いを避けることができ、他の事業や 政策にその分のお金を費やすことができるのです。 また、各家庭で食品の買いすぎを避ければ、自分の好きなものにお金を使うことができるのです。
⾷料問題
 食品ロスの問題は、さらに食料問題、貧困問題に発展してしまうのです。 大量の食品が捨てられ続けるということは、環境に長く、 負荷がかかり続けているということでもあるのです。 地球温暖化が進むと、気候変動が起こり、 作物を作ることができる国や地域が限定されていきます。
 実際、各国で影響が出てきています。
インド
インド
・1m の海面上昇で、約 6 千 km²が浸水し、農地が失われ、塩類化が起こる。
・深刻な水不足により、小麦やコメの生産量が悪化。
アフリカ
・気温が4℃上昇で農業生産が 15〜35%減少。
・いくつかの国で、降雨依存型農業の生産量が 2020 までに 50%程度減少。
アフリカ
Japan
日本
・水稲について、気温が 3℃上昇した場合、潜在的な収量が東北以南で、8〜15%減少。
 紹介したのは一部ですが、今日では世界全体に地球温暖化の影響が見られます。
 作物が育つ場所が減れば、食料が足りなくなります。 加えて、世界の人口は増え続けており、さらに食料問題が深刻化していきます。
 食料が足りなくなることで、食品の価格高騰も予測されます。食料自給率が 低い日本は、多くの食料を輸入に頼っているため、食品の価格高騰は避けられません。
 経済的に豊かな人は、十分な食物を手に入れることができる一方で、 所得の低い人は十分な食事ができなくなるというように、日本国内の経済格差が広がることも考えられます。
 このように、負の連鎖になってしまいます [23]。
⾃分たちには関係ないと思っていませんか?
 上記の通り、⾷品ロス問題の影響については⼤体のことがわかったのではないでしょうか。 ここからは、より⾝近に感じられるように体験談を交えながら説明していきます。
何も変わらない?
 私は、寮に所属しており、⾷品ロス問題をとても⾝近に感じています。 というのも、⾷堂では、⾷べ残しを捨てるゴミ箱があるのですが、 そのゴミ箱にはいつもたくさんの⾷べ物が捨てられているのです。 もったいなく感じることが多々ありますが、実際のところ、 私にはその様⼦を傍観することしかできませんでした。
 私は⾷べ残しをしている友達に、⼀度だけ、 「もったいなくない?⾷べられない⼦もいるのに...」そのようなことを⾔ったことがあります。 すると、その友達は、 「私たちが残したところで、その⼦達を救うことができるの?」と⾔いました。 その頃は、Web 制作をする前で、私は複雑ながらその⾔葉に納得せざるを得ませんでした。 皆さんの中には、幼少期から先⽣や両親たちから 「もったいないから残しちゃダメだよ」と⾔われ育った⼈が少なくともいるのではないでしょうか。
 次に、その「もったいない」の意味を深く追求していこうと考えています。
「もったいない」の意味
 「現代、世界では 11 ⼈に 1 ⼈が栄養不⾜になっています。」
 先程述べた出来事があり、私は、こう聞いても、⾷べ残しをしてはいけないとはならないなと考えるようになりました。 ですが、そうではないのです。 ⾷べ残しをなくすことと栄養不⾜の⼈を増やさないことは、深く関わりがあるのです。
 私たちが⾷べ残しをすれば、それを運搬し、焼却して処分します。 その際には、温室効果ガスを発⽣させており、地球温暖化を促進させます。 地球温暖化は、⼲ばつや洪⽔などの異常気象を引き起こします。 ⾬が全然降らなければ、作物は育たないし、⾬が降り過ぎても、作物にはよくないですよね。 そうなれば、⾷べ物を作る環境が限られてしまい、他の国まで影響を与える結果となってしまいます。
 私たちが⾷べ残しをすることで、間接的に栄養不⾜の⼈を更に増やしていると⾔っても過⾔ではないと考えています。 この通り、私たちの⾷べ残しは世界中に影響を与えうる問題なので、もっと深く考える必要があるのです。
 「もったいない」のこれまでの意味は、 「⾷べ物を⾷べられない⼈がいるのだから、残さず⾷べなさい」という意味として捉えられてきたと思います。 ですが、これからは、「⾷べ物を⾷べられない⼈をこれから増やさないために⾷べる」の意味を加えて考えてほしいと思います。
⾷べ残しはしない!
 Web サイト制作過程で上記のことを知り、友達にもう⼀度このことを⾔おうと決断しました。 すると、友達は前より⾷べ残しをすることは減り、「頑張って⾷べる」と聞いて、嬉しく感じました。 このように、知るだけで⼼情が変化し、解決のためのアクションをすることができるのです。
 これを踏まえ、この Web サイトを通じて、多くの⼈に発信する必要があると考えました。 もし、ゴミの傍観することしかできず、憤りを感じている⼈がいたのならば、この情報をシェアしてもらいたいです。
 また、私が⼩・中学⽣の頃は、先⽣がおかずを残さないように、半ば強制的に分けていました。 個⼈的にこの⾏動はとても良いことだと思いますが、現在はそうすることが難しいのではないかと考えています。 ⾃⾝の意思で⾷べ残しをしないことが理想的なので、私たちは、学校教育でこれらの情報を伝えることを提案します。 ⼦どもたちにそれを伝えることは、持続可能な社会に寄与することなり、その⼦どもらの未来を守る上でも、 必要なことだと考えます。
⽇本にも栄養不⾜の⼈がいる
 先程、世界には11人に⼀⼈が栄養不⾜であるということでした。 皆さん、それを聞いて、⽇本には関係ないと思いませんでしたか? それは、⼤きな間違いで、⽇本の中には、1億2713万⼈に対して635万⼈が飢餓経験があるのです。
 ⽇本では、⾷品ロスが社会問題とし扱われている⼀⽅で、相対的な貧困が存在しているのが現状です。
相対的貧困:その国や⽔準の中で⽐較して、多数よりも貧しいこと指しています。 所得でみると、世帯の所得がその国の等価処分所得の中央値の半分(貧困線)に満たさないことを⾔います [24]。
 Web サイトの制作にあたって、 取材させていただいた あまいろ商店さんがこのことを教えてくださり、 取材ページだけでなく、⾷品ロス問題の説明ページでも掲載しようと思いました。
 ⾷料問題は、他の国のみならず、⽇本にも関係があることを忘れずにいましょう。
食品ロスの影響まとめ
・食品ロスを廃棄する際に焼却を行い、そこで排出した二酸化炭素が地球温暖化を促進させている
・食品ロスは食費を無駄にするし、廃棄する際もお金がかかるので税金も無駄にしている
・地球温暖化が進むと、作物が育つ場所が限定され、食料が足りなくなる
・日本は食料の輸入に頼っているため、食料の不足により、価格が高騰する
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