スマホには対応していません

レシート問題

買い物する人
 皆さんは、買い物に行った時、レシートをもらいますか?
 何かを買うたびに発行されているレシート。 実際どのくらいの量のレシートが発行されているのでしょうか?
レシートの消費量
 日本全国で年間消費されるレシート用紙は、約5.4万トン! これは、A4サイズのコピー用紙約135億枚に相当し、全国で販売されるレシートロールの数は年間2.4億ロール。 万トン、億ロールと膨大な値を言われても、いまいち、想像ができないですよね。
 計算をしてみました! A4 用紙は、1枚0.09mm の厚さなので、135億枚積み重ねると、121.5km という凄まじい厚さになりました。 とてつもない量であることがこのことからも想像ができますね。
 例えば、日本でレシートの発行量を30%削減することができれば、CO₂排出削減量の効果は杉の木約 11.6トン分に相当するそうです。
説明いらすと
レシートはリサイクルできない!
燃やすしかない
 レシートや FAX に使用されている紙は感熱紙と呼ばれる特別な紙。 そしてなんとリサイクルに不向きな「禁忌品」*と定められています。
*「禁忌品」とはリサイクル原料としては適切でない異物のことを言います。
 なぜリサイクルできないのでしょうか? 感熱紙の表面には熱が伝わると黒く印字される特殊なインクが使われているため、 感熱紙が混ざると再利用ができなくなってしまうのです。 処分する際は「燃えるゴミ」で捨てることが推奨されています。 レシートはリサイクルが不可能なため、レシートを発行すること自体を減らしていかなければなりません [33]。
 レシートの発行自体を減らしていかないといけないことは、上記に示したようにわかると思います。 海外では、さまざまな取り組みが行われています。 実際にどのような取り組みが行われているのでしょうか?
海外の方
フランス
フランス
 フランスでは、2023年8月1日に、環境対策の観点から紙のレシートが原則撤廃になりました。 これによって、客側が必要とする際のみ発行するというシステムになりました。
 そのきっかけとして、 電子決済が進む中でのレシートの必要性がなくなったことや 紙や水などの資源を守るためなどがあります。
 今回のフランスの施行に至るまでインフラへの懸念や小商売業者での準備期間 の必要性から二度延期になり、今回十分な整備を整えてついに施工されました。 私たちの生活に馴染みすぎているレシートをいきなり撤廃することは簡単ではな く、たくさんの準備が必要だということがわかりますね [33]。
韓国
 韓国では、電子レシートの導入をしています。 韓国の導入例として、紙のレシートではなく電子レシートを受け取ることで100ウォン(およそ10円)返金されるシステムが構築しています。 これまで返金手続きや購入証明は紙のレシートでしか認められませんでしたが、 法律の変更により、電子レシートでも認められるようになりました。 しかし、なかなか消費者の行動には繋がらなかったため、キャッシュバックという取り組みを導入したそうです [34]。
韓国
日本
日本
 東芝テック株式会社(以下「東芝テック」)では、2018年9月から2019年3月までの 6カ月間、「電子レートによる沖縄主婦の生活利便性向上プロジェクト」で電子レシートを導入しました。 東芝テックが運営している電子レシートシステム、「スマートレシート」を使用し、 沖縄県内で販売促進連携(送客クーポン発行など)による買い回りを実現する取り組みでした。 買い物客は手元に紙のレシートを残さずとも、スマートフォンで自分の買い物履歴をいつでも確認でき、 導入店舗は買い物客への利便性を向上させることを可能にしました。 更に、紙レシート発行コストや環境負荷を減らすことができました [35]。
レシートの活用術
 ある時、お財布の中のたくさんのレシートを見て、少なからず、 「このまま捨てるのは、もったいないなあ」と思う人がいるのではないでしょうか。 実は、レシートには様々な用途があります。
 今回はそんな活用術を紹介します [36]。
これいいかも
鏡
水垢がついた鏡に活用
 水垢がついてしまった鏡は、濡らしたレシートで磨くことができます。
1. 文字が印字してある面を水で濡らす
2. 濡らした面で、鏡を磨く
3. ティッシュで鏡の水気を拭き取る
 この方法で、汚れていた鏡をキレイにすることができます。
スマホをきれいに
 スマホって気づくと、指紋がたくさんついていますよね? レシートはそんな指紋の汚れにも活用できるのです! 意外ですよね! レシートで軽く磨くだけで、綺麗になるので、 ちょっとした空き時間にぜひ試してみてはいかがでしょうか?
スマホ
アクセサリーをつけた手
爪をピカピカに
 文字が印刷してある面でこすると、光沢が出ます。 簡単に試すことができるので、ネイルなしでもきれいに爪を見せたい方は試してみてください。
シルバーアクセサリーの黒ずみに活用
 黒ずんでしまったシルバーアクセサリーは、レシートの表側で磨けば、きれいになります。 わざわざアクセサリー用のクリーナーを買わずに済むので、便利です。
是非やってみてください!
私たちにできることはあるのか
 このことに関しては、私たちにできることは限られていると思います。 このような問題は、システム⾃体を変えなければならないなどの課題が⽣じ、 解決するのが難しいのが現状です。また、実⾏する際に費⽤がかかってしまうのも難しい点であると考えています。 では、なぜ、私たちはこれを問題提起したのか。
問題提起の理由
 この問題について、メンバーの⼀⼈が関⼼を⽰していました。 そのメンバーは、コンビニでアルバイトをしており、 レシートの多くがそのままゴミとして捨てられていく光景に疑問を抱きました。 ⼤量のレシートを捨てるたびに、「どうして、ほぼ捨てられるのに、 発⾏しているのだろう、もったいないなあ」と感じており、ぜひ、問題提起したいと思いました。 ですが、この問題について、調べていくと容易に解決できる問題でないことがすぐわかりました。
 それを知っても尚、問題提起したのは、読者に知って欲しかったからです。 「知ってもらうだけで何が変わるのか」そのように思うかも知れません。
Why do we ask you?
「知る」の価値
base of action
 「知る」の価値とは、解決に向けた⾏動の原動⼒になる可能性があるところにあります。
 ある誰かが問題を提起し、それに少なからず共感を⽰す⼈たちがいます。 時が進むにつれて、その共感を⽰す⼈数は増加し、最終的には⾏動へとつながります。 共感する⾏為や実際に⾏動するための基盤には、いつも「知る」ことが存在しているのです。
 実際に多くのメンバーは、この問題が話し合いで提⽰された際、 「確かに...⾔われてみればたくさん捨てられているね、気にしたことなかった」 と驚いていました。これは、「知らなかった」ための反応でした。 このことからも、まずは多くの⼈に知ってもらうことが重要だと考えました。 この Web サイトを通じて問題を提起すれば、関⼼を⽰してくれる⼈がおり、 更に情報発信することができると思いました。 そして、この問題に限定せず、あらゆることに通ずるものだと考えています。
 私たちの Web サイトが解決に向けた⾏動のきっかけの⼀つになればなと思います。
POINT
「知る」=解決に向けた行動の原動力となる可能性がある
発信して!
 読者の皆さんは、⽇々⽣活をしていて思うことはありませんか? 「これ、⾃然に悪いんじゃないのかな」「もったいないなあ」「みんなしてるけど、していいのかな」など。
 そのような思いやふとした疑問は、環境をより良くするための⼀環となり、 持続可能な社会を実現する⼿段となる可能性があります。 その思いを⾃分の中で完結するのでなく、他の⼈に伝えて欲しいです。 ⼤規模に情報を発信するのではなく、⾝近にいる⼈に対して 「そういえば、こういうことに疑問を感じるんだよね」と伝えるだけでも⼗分だと私たちは思っています。 そして、その思いが他者に広がり、⾏動のきっかけとなることで、良い循環が⽣まれ、 私たちの⽣活や環境を守ることができると信じています。
疑問→発信→守る