スマホには対応していません
 今、海にはプラスチックゴミが、計 1 億 5000 万トン存在していると言われています。 その上、毎年 800 万トンのゴミが海に流出しています。 簡単に言えば、海にはプラスチックゴミが溢れかえっています。 では、なぜこれが「問題である」と言われるのでしょう [1, 2]。
海ごみが与える影響とは?
海ごみ問題が与える影響とは何でしょうか?
⽣態系への影響
 ウミガメがプラスチックを誤⾷したり、アザラシの⾸に海ごみが絡まっていたりと 海洋⽣物に深刻な被害が⽣じています。 最悪の場合は死亡し、それが⽇常になりつつある。 そんな事実を知って⼼が痛みませんか。 ⼈間の命が尊いものであるのであれば、動物の命も尊いはずです。 ⼈は、もう⼀度このことを再認識する必要があると考えています。 そして、動物たちをそのような危険な状態にさせる原因は、 紛れもなく⼈間のポイ捨てであり、間接的に動物に危害を加えているのです [3]。
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漁業や観光業への影響
 海洋⽣物が海ごみで死亡し、減少していき漁業資源に影響を与える可能性があります。 そうなれば、その地域の経済の損害になりかねません。 個⼈で⾒てみると、漁師さんの収⼊源が減り、経済格差につながる可能性もあります。 何よりも、⿂が⾷べられなくなることは、悲しいことだと思います。 次に観光業についてです。 海ごみが美しい海、浜に漂着することで観光業に影響が⽣じることが考えられます。 美しい景観が損なわれることは、観光業にとって死活問題です。
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⼈への影響
 海ごみには有害な物質や化学物質が含まれていることがあります。 これが海洋⽣物を介して⾷物連鎖によって、 最終的に⼈間がそれを摂取する可能性があります。
 このように海ごみ問題の影響は深刻なのです。 ⼈には関係ないと思ったら⼤間違いです。 この問題は、動物、⼈間を守るために解決に向けた努⼒をする必要があるのです!
プラスチックについて
 まずはプラスチックについて知りましょう。 プラスチックの主な特徴は 可塑性・形成性軽量性自然分解されないの3つです。 様々な形に変形しやすい上に軽いため、今日では、家庭用品や電化製品、医療用品などに使われています。
 しかし、便利な点だけではありません。問題なのは、そう、自然分解されないことです。 これが意味することは、自然界にプラスチックが残り続けるということです。 全く分解されない訳ではありませんが、多大なる年月が必要です。 そのため、環境や生態系を破壊しかねないのです。 これが「海ゴミ問題」と呼ばれています。 そして現在、海ゴミ問題の拡大が止まらず、人や産業への影響も無視できないレベルになっています [4, 5]。
プラスチックの主な特徴
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プラスチックが便利
 今日では、様々な物にプラスチックが使用されています。 身近な物だと、ペットボトルやコンビニエンスストアのお弁当容器、ストローなどがあります。 よく考えると、プラスチックは生活になくてはならない素材なのです。 例えば、ペットボトルは軽くて持ち運びしやすいし、 少しの衝撃なら中身がこぼれる心配もありません。 では、一昔前のように瓶や缶だったらどうでしょう。 瓶であれば、飲み上げた後でも重量がありますし、落としたら割れてしまいます。 缶なら軽くて割れませんが、飲み物の風味が落ちやすく、中身を確認できません。 と言うように、ペットボトルが一番使いやすい容器になってします。 この便利さが、生産量を減らす際の障害になっているのです。
ペットボトル
鳥
 では、生産量をそのままに、ゴミを増やさないようにするにはどうすれば良いのでしょう。 日本財団と日本コカ・コーラ株式会社が行った 「陸域から河川への廃棄物流出メカニズムの共同調査」によると、 海ゴミのおよそ 8 割が街から排出されたゴミであると確認されています。 排出の主な原因はポイ捨て系と漏洩系です。 ポイ捨て系のゴミは、雨で排水溝へ流され、川をつたい、海へと流れ出ます。 漏洩系のゴミは、ゴミ集積地点からの漏洩や災害時の応急処置で使用され、 経年劣化した製品、農業資材の流失などがあります。 ポイ捨て系のゴミは人々のモラルの問題です。 しかし、漏洩系のゴミは、排出防止が難しいのです [6, 7]。
生分解性プラスチックの使用が浸透しない
 生分解性プラスチックとは、一定の条件下(土壌・海洋・河川)であれば分解される性質を持つプラスチックです。 通常のプラスチックをこれに置き換えることで、プラスチックゴミを減らすことができます。 加えて、適切な土壌廃棄を行えば分解され、通常の廃棄方法である焼却処理をしないで良いため、 二酸化炭素排出量を削減できます。 さらに、生分解性プラスチックはバイオ由来のものもあるため、 化石資源の消費を抑えることができます。
 こんな良いことずくめの生分解性プラスチックは、あまり普及していません。 農林水産省生産局の資料では、2019 年時点で生分解性プラスチックの普及率は6%程度にとどまっています。 ではなぜ普及率が低いのでしょう。 まず、性質について考えましょう。 通常のプラスチックに比べて、生分解性プラスチックは、強度や耐熱性が劣ります。 そのため、長時間使用する商品や、加熱が想定される商品には向いていません。 そして、適切に処理を施さなければ、特性を活かすことができません。 日本バイオプラスチック協会では、一定の条件下で3 ヶ月以内に 6 割以上分解されるものを 生分解性プラスチックとして認定しています。 この一定の条件というのが、温度や湿度、酸素などが適度に備わっていることをさします。 そんな都合の良い環境は自然界にめったに存在しないため、 ただ土に埋めれば良いという物でもないのです。 条件が悪いと、分解に時間がかかったり、最悪の場合、分解されないこともあります。 加えて、家庭などで、燃えるゴミなど適切に分別されなければ、 分解されるという特性を発揮せずに廃棄されます [8, 9, 10]。
生分解性プラスチック
細分化されたプラスチックの回収
 5 ㎜以下のプラスチックの欠片を、マイクロプラスチックといいます。 マイクロプラスチックにも種類があり、細分化されるタイミングによって種類が異なります。 製造時にマイクロサイズで作られたものが一次的マイクロプラスチック、 紫外線や経年劣化などでマイクロサイズになったものが二次的マイクロプラスチックです。 特に一次的マイクロプラスチックは、洗顔料などスクラブ剤として使用される 「マイクロビーズ」などが該当し、排水溝から自然環境へ流出するため、回収が非常に難しいです [11]。
マイクロプラスチック
私たちにできることを見る