6.宇宙ひもA

相転移物質がある相から別の相に移ることです。融解・蒸発、凝縮・凝固など。モデルは、「真空の相転移現象のときに生じるエネルギー差が宇宙に急膨張を引き起こす」というモデルです。
急膨張によって、現在我々が観測できる範囲の宇宙が一様になり、相転移が終了してエネルギー差がなくなれば、急膨張も終了して1つの宇宙が出来上がります。
「その外側は、我々の知らない別の宇宙があるかもしれない」という結論です。
このような相転移は、宇宙全体に同時に発生ものではなく、時間も場所もばらばらに起こるだろうし、相転移の終わる状態もバラバラのはずです。
もちろん、近くの場所では別の状態で終了したとすると、その境目には「壁」のようなものができ、このような壁を位相欠陥ホモトピー非同値な境界条件の存在に起因する偏微分方程式や場の量子論の解のことです (topological defect)と呼びます。

壁が2次元的ならばドメインウォール(domain wall)、壁が1次元ならばストリングプログラミング言語における、文字列型のデータ、または文字列型であることを示すステートメントのことです。(string)、壁が1点ならばモノポール磁気単極子ともいいます。N極またはS極の単独の磁荷をもつ粒子。1932年ディラックによってその存在が予言されたが,いまだ実験的には発見されていません。(monopole)と呼ばれます。
いずれも存在すれば、高いエネルギーの塊となります。 インフレーション膨張宇宙論の一つ。宇宙創世のごく初期に、指数関数的な宇宙膨張があったとする説。標準的な膨張宇宙論に存在する矛盾を解決すると考えられています。モデルは、急激な宇宙膨大をすることで、このような位相欠陥の存在確立を小さくします。
しかし、位相欠陥の存在がまったくゼロとは言い切れません。

ゴット1947年- アメリカ合衆国の理論宇宙物理学者。プリンストン大学教授。ケンタッキー州出身。が注目したタイムマシンは、宇宙を漂っているかもしれない位相欠陥のストリング、宇宙ひも(cosmic string)を利用するものです。
存在すれば、太さは、原子核原子の中心をなすものです。陽子と中性子からなり、原子番号と同じ数の正電荷をもっています。原子の質量の大部分を占めるものです。核(10マイナス15乗)よりも小さいが、長さは宇宙全体に渡るくらいあり、重さは1cm当たり1億トンの1億倍もあるような、想像を絶する物体になります。


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