6.宇宙ひもB

宇宙空間に「宇宙ひも」の位相欠陥ホモトピー非同値な境界条件の存在に起因する偏微分方程式や場の量子論の解のことですがあれば、これは張力で支えられる奇妙な重力源となります。

宇宙ひもの周囲を1周すると、360度ではなく、それよりも小さい角度になるという角度欠陥が観測されると考えられています。
紙の一部を切り取ってつなぎ合わせると、漏斗液体を口の狭い容器に移したり,こし分けたりするのに用いる容器。〈じょうご〉ともいう。になるが、宇宙の一部に突然このような切り貼りされた空間が出現するようなイメージです。

光が宇宙ひもの両側を通過すると、角度欠損の影響によって、重力レンズ大きな重力場を通ってくる光が曲げられること。凸レンズを通過したときのように曲がることからこの名がある。のように曲がって進むことになります。
だから、宇宙ひもそのものは見えなくても2つ同じ天体が近くに見えるならば、宇宙ひもによる重力レンズ現象といえるかもしれません。

実際、2003年に、そっくりな2つの楕円銀河銀河の分類の一つ。渦状構造や腕をもたず楕円状の光塊に見える。半径も質量も小さい。が2つの銀河の形も距離も明るさもスペクトルもほとんど区別がつかないほどなので、もともと1つの銀河が重力レンズ現象を起こして見えているものと考えられました(レンズ天体を意味するCSL-116と命名)。

そして、このようなレンズ現象を起こす候補として宇宙ひもが考えられました。


ところが、2006年になってハッブル宇宙望遠鏡宇宙を観測するために、1990年に米国がスペースシャトルを使って高度610キロの地球周回軌道に打ち上げたによって詳しい観測がされると、この2つの銀河は、軸の方向が異なっているためにレンズ効果とは考えられず、「とてもよく似ているが2つの似た銀河がペアで存在していた」という結論が下されました。


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