「過去へ行く」メカニズムを発表したソーンアメリカ合衆国の理論物理学者。ジョン・ホイーラーの弟子で重力の理論や、相対論的宇宙論の分野に貢献した。らの論文は、理論物理学の研究論文としては最も権威のある学術誌(フィジカル・レビュー・レター誌)に発表されたこともあり、マスコミも大々的に取り上げられました。「物理学者、タイムマシンを発明」とセンセーショナルなタイトルをつけた報道もありました。
しかし、中心となるメカニズムに物理学の理論を駆使してはいますが、ワームホール型タイムマシンには、いくつもの仮定が重なっています。仮定されたことを整理すると、
・ワームホールが存在して、
・さらにそのワームホールが通過可能で、
・さらに負のエネルギーが安定に存在して、
・さらに人類がワームホールを通過可能な技術をもち、
・さらに人類がワームホールを制御可能な技術をもち、
・さらに一方の出口を光速近くで動かすことができ、
・さらに旅行者が別ルートで同じ場所に戻れれば、
「ワームホールで旅行を始める時点の過去にまで」戻れる
このように、いくつもの「もし」が重なっていることに注意です。
これだけ仮定があるとしたら、読者の方は「マユツバな話だ」とか「もう不可能」と思ってしまうでしょうか。
それとも「人類の将来のテクノロジーに期待しよう」とか「どれから解決できるかな」とワクワクされるでしょうか。
ソーンらのワームホールモデルを実際に数値シミュレーションした研究を次に紹介します。