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中学生でも作れるよ! 身近な素材で簡単手作り!
小型風車制作記
解説・理論
EXPLANATION・THEORY
エネルギー解説
エネルギーの国内供給について
左図より、国内でのエネルギー生産量は2008年をピークに減少傾向にあります。
2011年、2012年と減少したのは、東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故の影響で、全国の原子力発電所の稼働がストップしたからです。
エネルギー別で見ると、石炭・天然ガスを使用した火力発電が増えている中で、風力を含めた新エネルギーでの生産量も 徐々にではあるが増えてきています。
( グラフはクリックして拡大します )
( 出典 : エネルギー白書 2014 P.143より
www.enecho.meti.go.jp
)
日本の風力発電導入について
日本では、風力発電の導入が進んでいます。風力発電所の総設置基数・総設備容量ともに増加しています。
近年少し勢いが弱まっているようですが3・11以降新エネルギー発電を推進する動きが見られているので、今後も増加が見込まれます。
( グラフはクリックして拡大します )
(出典 : 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 NEDO
www.nedo.go.jp
)
エネルギー解説 (世界)
エネルギー消費量について
左の図からわかるように、年を追うごとに世界の消費量は増えてきています。
また、主にアジアなどの途上国での増加が著しいです。2010年から2035年までに、1.5倍になる見通しです。
(出典 : 北陸電力
www.rikuden.co.jp
)
( グラフはクリックして拡大します )
風車理論
風のエネルギー
風力パワーP[W]は、質量m[kg]、風速V[m/s]、空気密度ρ[kg/m3]、受風面積A[m2]とすると次の式になります。
P=1/2V2=1/2(PAV)V2=1/2PAV3
ベッツの法則では、風から取り出せるパワー係数Cpは最大で16/27(ベッツ係数)としています。風の持っているパワーの0.593までは理論的に取り出せます。Cpの値が大きくなるほど風車の発電出力性能が高いと言えます。
上の計算式から風車の発電効率は受風面積と風速の3乗に比例することがわかります。
Reレイノルズ数
粘性流体の流れにおける粘性力と慣性力の比を表します。 したがって、レイノルズ数が小さい流れにおいては、粘性による、減衰効果が大きいため、流れは安定であり、逆に、レイノルズ数が大きい流れは一般的に不安定で乱流になる場合が多いのです。
Re=慣性力÷粘性力
Re=UL÷ν
U:流れの速さ[m/s]
L :流れの中にある物体の代表的長さ[m]
ν :動粘性率 =μ(粘性係数)÷ρ(密度)
μ:粘度または粘性係数[Pa・s]
ρ :密度[kg/m3]
臨界レイノルズ数 Re=2320 で層流と乱流の境目。
Re=2000〜4000が遷移領域でありこの間で層流が乱流へ遷移すると言われています。
レイノルズの相似則
本風洞実験による「小型の模型ブレード」と 実際の風車では大きさが異なり、レイノルズ数を一致させる必要があります。
「小型の模型ブレード」が5pで、「実際の風車のブレードが」25pの場合、模型のほうの風速は5倍にしなくてはなりません。
しかし、ここでは、風速を5倍にするのは非常に難しいため、粘性の影響があまり変わらなければ無視して実験をします。
層流と乱流
流れの方向が一様な流れを層流といい、不規則な流れを乱流といいます。 風洞では、層流の流れにして翼の周りの空気の流れを見ます。
風車が回る原理
風車の動作については抗力型と揚力型があり、それぞれ風エネルギーを回転力に変える方法が異なります。本研究では揚力型風車を作成します。(ちなみに抗力型の代表はサボニウス型風車)
上図のように翼は流体からの反作用として上向きの揚力を得ます。
剥離
物体表面に沿う流れが 下流側ではがれて乱れることです。この剥離を抑えれば抗力が小さくなり、翼はよく回ることになります。
トンボの羽根
そよ風でよく回るようにするにはレイノルズ数の低いところで効力発揮される羽根が必要であると考えました。
トンボの羽根の特徴は、凸凹の中に空気の気流が出来て羽根部分と周辺の空気を移動させ、空気の停滞域を発生させないそうです。
本実験では、日本大学文理学部のマイクロエコ風車の理論を参考にしてさらにディンプルを付けた独自の6枚羽根(ブレード)を作成しました。
ディンプル
( 乱流と剥離の関係 )
ゴルフボールにはディンプル(凸凹)が付いています。
つるつるのボールは、ボール表面の境界層の状態が層流ですが、ディンプルボールは乱流になっています。
そして、乱流のほうが層流よりも気流の剥離が遅れるため、剥離開始地点が後退します。その結果、乱れ領域の小さい乱流界層のほうが、空気抵抗が少なくなり、飛距離が伸びます。
よって、ディンプルを付けることによって空気抵抗が減少し、回転数が増 え、出力電力が増加するようになると思われます。
風レンズ風車
「風レンズ」という弱い風でも高い出力の見込める「つば」を付けた「つば付きディフューザ風車」、通称「風レンズ風車」は九州大学で開発されました。
風レンズ風車仕組み
ディフューザとつばを取り付けることによって、「風レンズ」後方に「渦」が発生します。その「渦」により中心部の圧力が低下し、ディフューザ内に流入する風が増加します。
よって、弱い風でも発電ができるようになるそうです。
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