本文へスキップ

中学生でも作れるよ! 身近な素材で簡単手作り!

結果・考察RESULT・CONSIDER

発電量の結果

蝶の羽根型(平板型)ブレード

 風速
(m/s)
 2  3  4  5  6  7
 出力
(mW)
 0  146  1098  2346  2302  2292

( WINCOM大会当日映像より )

トンボの羽根型ブレード

 風速
(m/s)
 2  3
 4  5  6  7
 出力
(mW)
 0  195  458  1385  2380  2331




発電効率


発電効率(Cp )について考えてみると、理論より、

Cp=2W/PAVとなります。

この式に、 P=1.165 (理科年表より、気温30℃の空気密度) A=0.478

V=2~7を代入すると以下のようになります。

 風速
(m/s)
 平板型
発電効率Cp
 トンボの羽根型
発電効率Cp
 2    8.76×10⁻²
 3  1.95×10⁻²  6.09×10⁻²
 4  6.17×10⁻²  7.78×10⁻²
 5  6.73×10⁻²  6.83×10⁻²
 6  3.83×10⁻²  3.96×10⁻²
 7  2.40×10⁻²  2.41×10⁻²





考察とまとめ

考察

① ( 蝶の羽根型平板ブレード )
 少しでも出力電力をかせげるように、風受け面積を工夫しました。(ブレード先端部を太く大きくしました)しかし、低風速時(2m/s)の出力はゼロでした。
 

 最高出力は風速5m/sの時であり、徐々に下がります。これは、風速が増すにつれて、ブレードのブレが増えて為であると考えられます。1枚のPP板をボルトで固定して、家具用パイプの足場だけでは風速7m/sの風に耐え難いようでありました。

ハブダイナモは定格出力を得るとそれ以上には上がらない仕組みになっているようです。


② ( トンボの羽根型ブレード )
 低風速~高風速のすべての出力において平板6枚羽根型ブレードを上回っています。これは、レイノルズ数の変化の写真で示したように、トンボの羽根型ブレードのギザギザ面に当たった風がブレード表面に小さな渦を作り、ブレード全体の空気の流れがNACA型のような空気の流れをするからだと思われます。


 また、それによって、ブレード上面の気圧が下がりやすくなり、微風でも回転しやすくなると考えられます。そして、平板6枚羽根ブレードに比べ、ギザギザに折り曲げたことにより剛性が増し、ブレードのブレが少なくなったので出力電力が増えたと考えられます。


まとめ

 低レイノルズ数域での翼は、前縁が丸みのあるNACA翼(現在のアメリカ航空宇宙局NASAが公表している翼型)よりも、前縁をギザギザにした翼型や前縁をとがらせて風の流れを一旦剥離させた翼型の方が、高い出力電力を得られると 「流体力学」の本に書いてありました。

確かに、昆虫の翅は流線型ではなく、前縁がギザギザで、凸凹、薄く尖っている部分があります。これを参考にしたトンボの羽根型ブレードは2~7m/s程度の風速下で効果的な結果が得られます。8m/s以上の風速で実験したところ、ブレードがたわみはじめ、計測続行が困難になってしまいました。

流体内の物体に働く力には慣性力( =物体の密度×速度×面積 )と粘性力( =物体の表面積×速度の勾配 )があります。物体が小さくなり、速度が遅くなると、レイノルズ数を示す式の分子が減少して、慣性力の効果が減り、粘性力の効果が増すと考えられます。

粘性力に注目するならば、ディンプルの付いたゴルフボールのいように乱流を起こし、剥離点を後退させられるかが重要だと考えられます。よって、トンボの羽根型ブレードは平板よりも乱流が起こりやすいので、より早く回り、出力電力が高いと思われます。

ナビゲーション


ご訪問いただきありがとうございます。