実験で楽しくなる力学教室
Chapter 1
力学を学ぶ前に
「力」って何?
力の表し方
力の合成・分解
力の成分
アイザック・ニュートン
重さと質量(1)
重さと質量(2)
重さと質量(3)
単位系の話
慣性の法則
作用反作用の法則
Chapter 2
Chapter 3
1-6. アイザック・ニュートン
では、力というものの扱い方がわかってきたところで、ある人を紹介しよう。
ある人?
新しい講師の先生でも呼ぶのですか?
いや、そういうわけじゃないんだ。これから紹介するのは歴史上の人物でね……。
つまり、これからやるのはちょっとした力学史だね。
君たちが力学を学ぶ上で是非とも知ってもらいたい人だよ。
さて、ここで質問。君たちが、『力学』と聞いて思い浮かぶ歴史上の有名人は?
はわわっ、そ、そんなこと急に聞かれても思い浮かばないよぅ……。
……アルバート・アインシュタイン。
わぁ、一弥くんすごい。
良く知ってるね。ただ、先生が期待した答えとはちょっと違うかな? 確かにアインシュタインも物理学では非常に重要な人だけど、残念ながらここでは違う。 ほら、他にもいるじゃないか、もっと昔の有名人が……。
えぇと、当てずっぽうで言ってみるね。
ニュートン……とか?
正解。そう、先生が紹介したかったのは彼のことだよ。 アイザック・ニュートン。彼は1643年にイギリスで生まれたんだ。日本がちょうど江戸時代で、鎖国をしたころのこと。
ニュートンといえば、リンゴが落ちるのを見て万有引力を発見したというエピソードが有名だけど知っているかな?
ちなみにこれが先生の母校に植えられていた、かつてニュートンの家のすぐそばに生えていたリンゴの木の子孫だ。
はい、そのエピソードなら聞いたことがあります。
『全ての物体は引き合っている』なんて、ちょっと気がつかないけれど、言われてみれば納得かもしれないね。
しかし、リンゴが落ちただけで万有引力。彼も、よくそんなことを思いつきましたね……。
さて、そのニュートンは他にも、微積分などの数学や光の研究、反射望遠鏡の発明、さらには錬金術など、様々なことをやった人なんだ。
錬金術! そんなことまでやってたんだぁ。
アイザック・ニュートン
運動の3法則
そう。けれどもここで重要になってくるのは『運動の3法則』と呼ばれているものをまとめて、ニュートン力学を始めた功績だ。
その運動の3法則とは……
第一法則「慣性の法則」
第二法則「運動の法則」
第三法則「作用反作用の法則」
と名前が付いている。
さぁ、このサイトでのみんなの目標は、この3法則をマスターすることだよ。
これらは、「物が力を受けたらどうなるか?」ということを科学的に考えていく根幹となる。
とても重要だし、ここからいろいろと発展していくんだ。
それではこれからその3つの法則について学んでいこう。