1-6. アイザック・ニュートン
先生 では、力というものの扱い方がわかってきたところで、ある人を紹介しよう。
柚莉亜 ある人?
一弥 新しい講師の先生でも呼ぶのですか?
先生 いや、そういうわけじゃないんだ。これから紹介するのは歴史上の人物でね……。
つまり、これからやるのはちょっとした力学史だね。
先生 君たちが力学を学ぶ上で是非とも知ってもらいたい人だよ。
さて、ここで質問。君たちが、『力学』と聞いて思い浮かぶ歴史上の有名人は?
柚莉亜 はわわっ、そ、そんなこと急に聞かれても思い浮かばないよぅ……。
一弥 ……アルバート・アインシュタイン。
柚莉亜 わぁ、一弥くんすごい。
先生 良く知ってるね。ただ、先生が期待した答えとはちょっと違うかな? 確かにアインシュタインも物理学では非常に重要な人だけど、残念ながらここでは違う。 ほら、他にもいるじゃないか、もっと昔の有名人が……。
柚莉亜 えぇと、当てずっぽうで言ってみるね。
ニュートン……とか?
先生 正解。そう、先生が紹介したかったのは彼のことだよ。 アイザック・ニュートン。彼は1643年にイギリスで生まれたんだ。日本がちょうど江戸時代で、鎖国をしたころのこと。
ニュートンといえば、リンゴが落ちるのを見て万有引力を発見したというエピソードが有名だけど知っているかな?
ちなみにこれが先生の母校に植えられていた、かつてニュートンの家のすぐそばに生えていたリンゴの木の子孫だ。
ニュートンのりんごの木
一弥 はい、そのエピソードなら聞いたことがあります。
先生 『全ての物体は引き合っている』なんて、ちょっと気がつかないけれど、言われてみれば納得かもしれないね。
一弥 しかし、リンゴが落ちただけで万有引力。彼も、よくそんなことを思いつきましたね……。
先生 さて、そのニュートンは他にも、微積分などの数学や光の研究、反射望遠鏡の発明、さらには錬金術など、様々なことをやった人なんだ。
柚莉亜 錬金術! そんなことまでやってたんだぁ。
先生 そう。けれどもここで重要になってくるのは『運動の3法則』と呼ばれているものをまとめて、ニュートン力学を始めた功績だ。
その運動の3法則とは……

第一法則「慣性の法則」
第二法則「運動の法則」
第三法則「作用反作用の法則」

と名前が付いている。
先生 さぁ、このサイトでのみんなの目標は、この3法則をマスターすることだよ。
これらは、「物が力を受けたらどうなるか?」ということを科学的に考えていく根幹となる。
とても重要だし、ここからいろいろと発展していくんだ。
先生 それではこれからその3つの法則について学んでいこう。

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