海外との比較

ワクチンはさまざまな種類があるので、
今回は新型コロナワクチン に絞って、日本と海外のワクチン体制について比較する。
〈日本の全人口に対する接種率〉
1回目:78.30%(9818万9360回)
2回目:77.89%(9768万1273回)
3回目:69.08%(8663万1798回)
日本はG7の各国と比べ新型コロナワクチンの接種開始が最も遅くなった。接種開始時期の摂取回数を国別に比べると、アメリカ、中国、イギリス、インド、イスラエルの順に多くなっていた。また、人口に対する接種を受けた人の割合では、イスラエルが46.1%、イギリスが22.5%、アメリカが11.5%となっていた。この結果をふまえて、上で述べた5カ国の状況と日本の状況について個別にみる。

・各ワクチンに対し国内での臨床試験の実施や、日本人が接種した場合の安全性・有効性の慎重な確認を行ったことにより接種開始が他国と比べ大幅に遅れた
・国や政府等による研究資金援助の不足、ワクチン生産体制の衰えによって国産ワクチンを整備できなかった
・重症者の増加に医療機関の対応が追いつかず医療逼迫が起こった ワクチン接種が他国と比べ大幅に出遅れた割に死亡者数が低く抑えられたのは、ワクチン接種による効果だけでなくマスク着用やソーシャルディスタンスなどの「努力義務」に素直に従う日本人の国民性や、積極的なオンラインでの勤務・授業の取り組みがあったからであるともいえる。 これからの日本のワクチン業界の課題として、
①国内でのワクチン開発にさらなる資金援助を行う
②大規模なワクチン接種を行えるような医療スタッフや場所の確保
③医師や病床が状況に合わせて柔軟に対応できる医療態勢を確保すること があげられる
・国から莫大な研究資金が投入されたため、ワクチン開発が迅速に進み、接種体制の強化につながった
・集団ワクチン接種に必要な人員が確保されていたため接種が素早く進んだ
・ワクチンに対するデマ等の拡散を防ぎ、ワクチン接種を呼びかけた
豊富なITエンジニアによる、ワクチンに関する情報のリアルタイムでの提供やワクチン接種の予約の空きの通知サービスが開発された
・国内で開発したワクチンを輸出するのではなく、国内に流通させることを優先した
・ビッグデータを利用して国民の行動を徹底的に管理し、感染者の早期発見、濃厚接触者の早期隔離を実施
・自分が感染者であるリスクが数段階でスマートフォン画面上で表示される「健康コード」を発行し、個人の行動許可・禁止を行った
世界に先駆けて新型コロナワクチン接種が始まった
・外出制限や特定の店以外の営業の禁止といった厳しい措置により感染者数は減少傾向となった
・政府による巨額の資金がワクチン開発に投入された
・接種を行う体制が整っていた
・高齢者を優先して接種を開始
接種証明書を提示することでイベント等に参加できる制度を作った
・一定期間マスク着用を義務付けた
・人口に対する接種率は高いが、1人あたりの接種回数は少ないため免疫の低下による感染の再拡大が起こった

日本と海外との比較

(日本)
ワクチンの使用: 主にファイザー・バイオンテック、モデルナ、アストラゼネカ、ジョンソン・エンド・ジョンソン
接種対象: 年齢や地域によって優先順位が設定され、段階的な接種が進行している。
ブースターショット: ブースターショットも導入され、高齢者や医療従事者などが対象。
(海外)
ワクチンの使用: ファイザー・バイオンテック、モデルナ、アストラゼネカ、ジョンソン・エンド・ジョンソン
接種対象: 年齢や職業による優先順位が異なり、一般の人々から高リスクグループまで段階的な接種が進行している。
ブースターショット: 一部の国ではブースターショットが導入され、高齢者や特定のリスク層が対象。

ワクチンの歴史

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