海外パビリオンの建築申請が未だにゼロ


万博の「華」として注目されている、海外パビリオン。その海外パビリオンを建築する際必要な建築申請が未だに一件も来ておらず、準備不足が目立っています。

海外パビリオンについて
海外パビリオンとはその名の通り、海外が出展するパビリオンのことで、出展する国や地域の数は、153の国と地域です。
今回の万博では、出展方法が3パターンあります。
タイプA
タイプAとは、参加国が博覧会協会から、敷居の許可をもらったのち、各国が建物の形状や、デザインを自由に構築する方法です。設計から建築までを、参加国がすべて行います。
タイプB
タイプBとは、博覧会協会が事前に建設した施設を参加国がその建物を借りて、単独で入居する方法です。
タイプC
タイプCとは、決められた場所で、各国が設備や内装を決める方法です。

建築申請が間に合っても建設が間に合わない


博覧会協会は「年末着工なら間に合うはず。(10月までに申請してもらえば間に合う。)」とおっしゃっています。
ですが、業者は「100%間に合わない」とおっしゃっています。 なぜなのでしょうか。
そもそもなぜ博覧会協会は年末着工なら間に合うと断言したのでしょうか。 それは1970年の大阪万博では、ぎりぎりで新聞でも話題になっていたのに、間に合ったからです。
前回は間に合っていた、でも、今回は間に合わないと建設業者が言っている本当の理由は何なのでしょうか。
それは、以前の大阪万博の時とは状況が大きく違うからです。その状況が大きく違うということについてこの下で具体的に説明しています。
①物価高による資材価格の高騰
ウクライナとロシアとの戦争をめぐり、資材価格の高騰が起こっています。
例えば、会場建設費が、当初想定の1.5倍の1,850億円にまで膨らんでいるという問題を抱えています。
(メンバー作成)
②工期(2024年問題
2024年問題とは、2024年四月から適用される、働き方改革関連法によって生じる問題のことを言います。このせいで、建設業界の時間外労働の上限を決めることとなりました。これにより突貫工事ができない>状態になってしまいました。
③少子高齢化による人手不足
日本が少子高齢化社会となったことで、急速な人手不足が起こっています。

万博の開催地「夢州」の地盤が緩い?


万博の開催地である夢洲
その地盤が緩いという問題を抱えています。そもそも夢州は名前の通り、埋立地です。そのため、当然地盤が緩いので、非常に危険な立地です。そのような問題があるのにも関わらず、博覧会協会は、夢州を万博の開催地としてしまったのです。 土壌汚染液状化地盤沈下。このような悩みがある中で、安全のために博覧会協会は、杭を打つことにしました。
ですがその杭とは、40〜50mの非常に長い杭だったのです。そもそも50m級の杭を打ち込むことは、プロの技術がないとできないとても難しいことでした。しかも急がなければならない。それだけではなく、杭は抜く方が、遥かに難しいのです。50m級の杭を速やかに打ち込み、万博が終わったら、速やかに抜く。しかも相当腕のいい人にしかできない。 その作業の難しさは、さすがに博覧会協会も知らなかったのです。さらに、夢州が材料などを陸から運ぶには、ルートが夢舞大橋という一本しかないのです。もちろんいざ工事するとなったら、海外からも建設業者がきて、渋滞になるのは容易に想像できます。
引用:再都市化

以上の問題解決のための新しい出展方法「タイプX」とその懸念


タイプAが問題を抱える状況で、博覧会協会は、新しい出展方法タイプXを出します。タイプXとは、プレハブを建て、その内装、外装を出展する国に任せる方法です。 利点は、1つ目は、工期が短くすむので、短期間で間に合いそうということと、2つ目は、杭を打ち込まずに済みそうということです。 ですが受け入れた国は60か国中、1か国だけでした。

引用:産経ニュース

まとめ

物価高による資材の高騰、工期、人手不足、地盤がとても緩い、新しい出典方法であるタイプXを受け入れてくれる海外パビリオンがいないという5つの主な理由によって、海外パビリオンが間に合うか懸念されています。この課題を乗り越え、お客さんの想像を超える万博にしてほしいです。

参考・引用文献

■NHK閲覧日 10/19
https://www.nhk.or.jp/
■再都市化閲覧日 10/19
https://saitoshika-west.com/blog-entry-7618.html
■産経ニュース閲覧日 10/19
https://www.sankei.com/article/20230822-TZATXJ56V5PZVE4NLFJ4FJ53LQ/