⋄ため池の需要
ため池とは・・・
降水量が少なく、流域(雨が河川に流れ込む範囲)の大きな河川に恵まれない地域などで、
農業用水を確保するために人工的に造成された池のことです。
そして、様々な生物の生息・生育の場所としてや、
川に流入する水量を調整し、地域の保全など多面的な機能を有しています。
さらに、地域の言い伝えや祭りなどの文化・伝統の発祥にもなっています。
ため池は全国に15万か所存在し、特に西日本に多く分布しています。
そもそも、瀬戸内海に面している香川、愛媛、広島、岡山、兵庫(特に淡路島)では雨をもたらす季節風が年間を通しても四国山地、中国山地に遮られ降水量が少なくなるからです。
実際ため池の多い都道府県トップ3県は上から兵庫、広島、香川と瀬戸内に集中しています。
このような少雨気候というのは1つの理由ですが、ため池が主に増加したのは江戸時代です。
なぜなら、その時代に争いの少ない平和な時代が訪れ人口が急激に増えたことで新田開発が活発になったからです。
香川は古くから降水量が少なく大きな河川がないため、他地域よりも農作物に必要な水の確保が難しく、
農業用水をため池に溜め、節水をしながら農業を営んできました。
現在は高知県早明浦ダムから香川用水路が開通しているため、それらで貯水しながら必要に応じて配水をする、
調整池の役割を担っています。
撮影場所:志度
また近年では大規模な池の上に太陽光発電パネルを設置し発電を行う池も見られ、
2つの課題に取り組んでいます。
しかし近年は土地を得るための埋め立てや洪水による土砂災害などでため池の数が減少しています。