⋄渇水
もともと四国地方や中国地方の瀬戸内海側は降水量が極端に少なくその中でも香川は特に少ない県でした。
そんな「水不足の県」だった香川県は平成6年、高松地方気象台102年間のなかでも最も少ない降雨記録を出しました。つまり21世紀最大の「大干ばつ」です。
撮影場所:早明浦ダム付近
平成6年はそもそも四国全体の降水量が少なく、早明浦ダムの貯水量が著しく低下し、あっというまに香川に水が行き届かなくなりました。
平成6年夏 早くも早明浦ダムの貯水量が50%を前後するようになったため6月末から取水制限(香川用水から水を取り入れる量を制限すること)が始まり、7月には75%カットが行われました。
地域によっても大きな差があり特に高松や直島では水が使用できる時間が2時間や1時間30分など大きな制限がされていた。
お風呂の湯船に水をためておき、トイレの使用後に流していた。
とおっしゃっていました。
トイレの水に困るような「水不足」から、市民の生活を守るためには、ギリギリまで農業用水を減らし、それを都市にまわすという選択しかありませんでした。
その後は降水量が少し増えたことにより、干ばつは解消されました。
(高松気象台のデータをもとに作成)
(四国地方整備局の香川の水事情より引用)
このグラフのオレンジ色は2023年(令和4年)、青色は1994年(平成6年)の高松市の1年の降水量の違いです。
見てわかるように平成6年の降水量は令和4年と比べ、特に春から夏にかけてが、とても少ないことがわかります。特に6~8月の降水量はかなり違っています。
このように春から夏にかけての降水量の大きな差が大渇水を生んだのです。
この時期は台風が多く来る時期ですがあまり来なかったのでしょうか。
その後の、9月の降水量は令和4年を多く上回っています。このように、降水量が回復したことにより、渇水は収束したのです。
しかし、2024年8月末では貯水率が57%まで下回るなど節水を行う必要が出てきました。いつでも水は大切に使いましょう。