世界のLGBTQ+
日本のLGBTQ+に関する現状
当サイトでは日本のLGBTQ+の現状について、大きく
の4つの観点から見ていきたいと思います。占める割合
日本人口のうち、LGBTQ+などの性的マイノリティの方の割合を調べる調査は複数の団体や企業により行われてきました。その一部をまとめたのが以下の図1です。
【図1】
※各団体や企業のデータをもとにチームメンバーが作成
※これらは調査した団体や企業の一部であり、他の機関でも調査は行われています。
上記から分かるように、結果は調査によってばらつきが生じているものの、性的マイノリティの方の割合は約3~10%ほどだと言えます。
このばらつきには調査方法の違いや世代間の認識の違い、解答者の偏りなどの要因がありますが、LGBTQ+は決して遠い存在ではなく身近にいるということを忘れないでいてほしいと思います。
参考文献
株式会社電通グループ
電通ダイバーシティ・ラボが「LGBT調査2015」を実施
2025.8.12閲覧
株式会社電通グループ
電通ダイバーシティ・ラボが「LGBT調査2018」を実施
2025.8.12閲覧
株式会社電通グループ
電通、「LGBTQ+調査2020」を実施
2025.8.12閲覧
株式会社電通グループ
電通グループ、「LGBTQ+調査2023」を実施
2025.8.12閲覧
株式会社LGBT総合研究所
「LGBT意識行動調査2019」を実施、公表
2025.8.12閲覧
株式会社博報堂DYホールディングス
博報堂DYグループの株式会社LGBT総合研究所、6月1日からのサービス開始にあたり LGBTをはじめとするセクシャルマイノリティの意識調査を実施
2025.8.12閲覧
イプソス株式会社
日本のLGBT+の割合は約5%、世界26か国の最新LGBT+調査レポート
2025.8.12閲覧
埼玉県
埼玉県 多様性を尊重する共生社会づくりに関する調査の結果について
2025.8.12閲覧
JobRainbow
LGBTQ+の割合がバラつく理由【13人に1人? 100人に1人?】
2025.8.12閲覧
日本人の意識
日本人のLGBTQ+などの性的マイノリティへの意識は近年高まってきています。
例えば、電通グループが2023年に行った「LGBTQ+調査2023」の調査報告である「電通グループ、「LGBTQ+調査2023」を実施」では、以下のように評価されています。
(前略)「職場や学校などの仲間からLGBTQ+などの性的マイノリティーであることをカミングアウトされたときは、ありのまま受け入れたいと思う」が84.6%、「LGBTQ+などの性的マイノリティーの職場や学校の仲間にも、自分らしくいてほしいと思う」が84.5%、「LGBTQ+の当事者に相談されたときはできるだけ協力したい」が77.3%と、いずれも高いインクルージョン意識が見受けられる。(後略)インクルージョン意識とは、性別や国籍、人種などが異なっており多様な価値観を持つ人たちが、互いのことを認め合いながら生きていこうとする考え方です。
(株式会社電通グループ 「電通グループ、「LGBTQ+調査2023」を実施」より引用、2025.8.16閲覧)
この調査では、LGBTQ+や当事者への認識が進む一方で、性別を決めつける言葉遣いをしない、差別発言をした人へ注意をする、自らLGBTQ+について調べるなど、実際に当事者に配慮して行動したり深く理解したりしようとする人が少ないという結果も出ています。
また、イプソス株式会社が2025年に行った調査によると、「LGBTの権利と保護」においては賛成する人が2021年から15ポイント減少し37%に、「性自認に合った施設の利用 」においては2023年から21ポイント減少し31%に、「公文書における「その他性別」の選択肢」においては2023年から14ポイント減少し44%になったという結果が示されています(図2)。
※公文書…国や政府などが作成した文書
【図2】
出典:イプソス株式会社「トランスジェンダーの施設利用はわずか2年で支持21ポイント減、イプソスLGBT+プライドレポートを公開」
この結果についてイプソスは
「LGBT+に関する意見の分かれや社会的な理解の停滞が表れています」と評しました。
(イプソス株式会社 「トランスジェンダーの施設利用はわずか2年で支持21ポイント減、イプソスLGBT+プライドレポートを公開」より引用、2025.8.16閲覧)
さらにイプソスは、現代社会で、トランスジェンダーの当事者がどのくらい差別されていると考えるかを、日本を含む26か国で調査しました。その調査で、「非常に/かなり差別されている」と考える日本人は39%、「それほど/まったく差別されていない」と考える日本人は33%という結果が得られました(図3)。
【図3】
出典:イプソス株式会社「トランスジェンダーの施設利用はわずか2年で支持21ポイント減、イプソスLGBT+プライドレポートを公開」
上記の結果は、調査した26か国のうち、「差別されている」と考える人の割合においては最低値で、「差別されていない」と考える人の割合においては最高値でした。このことから、日本人のトランスジェンダー差別への認識が世界的に進んでいないことが明らかになったといえます。
参考文献
株式会社電通グループ
電通グループ、「LGBTQ+調査2023」を実施
2025.8.16閲覧
PRONIアイミツ
インクルージョンとは?意味から事例までわかりやすく解説
2025.8.16閲覧
イプソス株式会社
トランスジェンダーの施設利用はわずか2年で支持21ポイント減、イプソスLGBT+プライドレポートを公開
2025.8.16閲覧
LGBT教育の課題
LGBTQ+などの性的マイノリティに関する教育である「LGBT教育」は、以前よりか進んできているといえます。しかし、完璧にされているとはいえず、まだ課題も残っているのが現状です。その原因を2つの観点から紹介します。
学習機会に関する課題
政府や各省庁は2003年に性同一性障害の方の取扱いについての法律「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」を打ち出したり、 2015年には文部科学省が「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」を発行し教職員への要綱(対応の手順や大事な点)をまとめたりなど、当事者への対応を進めています。一方で小・中学校には2017年に、高校には2018年に示された「新学習指導要領」に関して、社会応援ネットワーク『図解でわかる 14歳からのLGBTQ+』では以下のように述べられています。
(前略)学習指導要領の中に、LGBTという言葉や、多様な性についての項目は入っていません。(中略)しかし、実際に教科書を作成する出版社は、社会の動きに敏感であり、大事な観点だとして、セクシュアル・マイノリティーを取り上げる事例が増えてきています。(後略)また教科書に関して、異性愛を前提としているような「思春期になると異性への関心が芽生える」という記載がされていることへの批判もあります。さらに、使う教科書は各自治体で決められるため、全国の学生が性的マイノリティについて必ずしも学習できるとは限りません。
(社会応援ネットワーク 『図解でわかる 14歳からのLGBTQ+』 太田出版、2021.9.28、38ページより引用)
教職員の課題
認定NPO法人Rebitが2022~2023年にかけて行った調査では、「LGBTQの子どもの課題や適切な支援について学んだ経験がある」と解答した人のうち、教員養成課程(教員になるための学習課程)で学んだのは全体の13%、「学んでいない」と解答したのは全体の21.8%であることが示されています。 教職員になる前のタイミングでの学習があまり行われていないことや性的マイノリティのことを学んでいない教職員が多いことで、性的マイノリティに関する正しい知識を持っていなかったり当事者が傷ついてしまうような言動・行動をしてしまったりする人もいます。また性的マイノリティについて学ぶ研修があっても十分な時間が確保できず、知識があまり定着されないという現状もあります。 さらに教職員からの当事者へのハラスメントも問題になっており、認定NPO法人Rebitが2025年に行った調査によると1年間で89.5%の中高生の当事者が学校で困難やハラスメントを経験しており、うち63.8%は教職員からであるという結果も出ています(図4)。
【図4】
出典:特定非営利活動法人Rebit「【LGBTQの子ども若者、約5千名の調査公開】過去1年に、中高生の9割が学校で困難やハラスメントを経験し、うち64%は教職員が要因。10代の57%が自殺念慮を経験する等、喫緊な状況が明らかに。」
参考文献
日本教育新聞
LGBT教育に求められる取り組みとは? 日本の現状と残された今後の課題
2025.8.13閲覧
gooddoマガジン
LGBTQ+(性的指向・性自認)への教育はどのように行われている?政府の方針とは
2025.8.13閲覧
Spaceship Earth
LGBTQが抱える学校生活の悩みは?現場の現状も
2025.8.14閲覧
特定非営利活動法人Rebit
【生徒1.2万人・教職員1500人調査】LGBTQについて小学校までに教える必要があると回答した、小学校教職員は97.9%。友人等からカミングアウトを受けた経験がある中学生は、1クラスに約3人。
2025.8.14閲覧
特定非営利活動法人Rebit
【LGBTQの子ども若者、約5千名の調査公開】過去1年に、中高生の9割が学校で困難やハラスメントを経験し、うち64%は教職員が要因。10代の57%が自殺念慮を経験する等、喫緊な状況が明らかに。
2025.8.14閲覧
法整備・同性婚
はじめに法整備に関して、「政策・法律の歴史」「LGBT理解増進法の課題・問題点」の2つの観点から説明します。
政策・法律の歴史
日本ではじめて性的マイノリティの方の特例を認めた法律は、性同一性障害を抱えた方へのものです。 2004年に適用された「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」がそれにあたり、このころから性同一性障害の方の権利の保護が行われてきました。2010年には文部科学省が「児童生徒が抱える問題に対しての教育相談の徹底について」を通知、 2012年には厚生労働省が「自殺総合対策大綱~誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して~」を閣議決定し、自殺の要因として「性的マイノリティ」が言及されました。
2015年になると文部科学省が「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」(図5)を発行し性的マイノリティの児童・生徒への配慮をするように通知しました。
【図5】
出典:文部科学省「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」
※1ページを引用
※PDFでダウンロード後、JPGに変換
また同年には東京都渋谷区と世田谷区で「同性パートナーシップ制度」が認められ、証明書が発行されるようになりました。さらに同年、国会でも超党派(議員同士が政党の枠組みを超えて協力すること)の「LGBTに関する課題を考える議員連盟」(略称はLGBT議連)が結成されました。
2016年には当時の野党により「LGBT差別解消法案」が提出されましたが、国会での議論が進まず、議会の解散によって廃案になってしまいました。 2023年になると、2021年の通常国会で一度見送られた「LGBT理解増進法」が制定されました。しかしこの法律には批判の声や課題も存在します。
以上のように日本でも法整備は少しずつ進んでいますが、世界的に見ると遅れているのが現状です。
LGBT理解増進法の課題・問題点
LGBT理解増進法は正式名称を「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」といい、 大まかな内容は「LGBTQ+などの性的マイノリティへの国民の理解を促したり国・地方自治体の役割を示したりして性的マイノリティを受け入れられる社会を作ろう」というものになっています。しかし性的マイノリティの方への差別に対する罰則は定められておらず、多くの野党や当事者、支援団体が目指していた「差別禁止法」ではないことに多くの指摘があります。
また、この法律の第十二条「全ての国民が安心して生活することができることとなるよう、留意するものとする」という箇所について、一般社団法人の「性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者等に対する法整備のための全国連合会」(略称はLGBT法連合会)は
「性的マイノリティ当事者の尊厳を踏み躙るかのような条文」と評しています。
(LGBT法連合会 「【声明】性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案の成立についての声明」より引用、2025.8.15閲覧)
その理由は当事者の行動や国・地方自治体などの取り組みを「安心できないもの」として押さえつけることができてしまうからです。
さらに法案の修正、法律制定までの審議時間が短いことや学校での教育・啓発において「家庭及び地域住民その他の関係者の協力を得つつ」という規定が存在することで教育現場で性的マイノリティに関する活動に制限がかかるリスクもあります。
次に同性婚に関して説明していきたいと思います。
同性婚
日本では現在、同性婚やパートナーシップ制度は法律では認められていません。これはG7の中では日本だけで、世界的に遅れていると言えます。「パートナーシップ制度」とは、現段階では同性婚が認められていない日本で、地方自治体が性的マイノリティのカップルに対して結婚と同等の関係であることを証明する制度です。
この制度により、各自治体での違いはありますが法律婚(戸籍上で結婚すること)と同じような行政サービスを受けられたり、パートナーとの病院での面会や手術の同意などが可能になるほか、住民票にも法律婚と同じような記載が許可されている地域もあります。
「公益社団法人MarriageForAllJapan - 結婚の自由をすべての人に」の「パートナーシップ制度導入自治体」によると、33都府県では全域で、14道県では一部の地方自治体でパートナーシップ制度が導入されており、人口カバー率(パートナーシップ制度を利用可能な人口の割合)は92.8%に到達しています。
【図6】
出典:公益社団法人MarriageForAllJapan - 結婚の自由をすべての人に「パートナーシップ制度導入自治体」
濃い赤色は各都道府県の全域で、薄い赤色は各都道府県の一部の地域でパートナーシップ制度が認められていることを表します。
※画像が最新の情報と一致していない場合があります。
同性婚との違いは認められる権利の範囲です。同性婚は結婚であるため法律上も家族となり、遺産の相続、税負担の軽減、子どもの親権を得られる、結婚や葬式などによる慶弔休暇が認められるなどの優遇措置が取られます。一方、パートナーシップ制度は法的な効力を有しないため、これらのような権利は認められません。
朝日新聞GLOBE+の「【解説】パートナーシップ制度とは?同性婚との違い、違憲判断が相次ぐ裁判の状況は?」によると、朝日新聞の2023年の世論調査では実に72%の人が同性婚を法律で認めるべきという結果が出ています。 また日本テレビが2023年に実施した調査でも、同性婚を法律で認めることに66%の人が賛成しています。これらのことから、同性婚に対する世間からの関心は高くなっていると言えるでしょう。
参考文献
朝日新聞SDGs ACTION!
「LGBT理解増進法」施行 当事者・支援団体からは内容に批判も 企業への影響は?
2025.8.15閲覧
Vogue Japan
「差別を禁止する」ことが、なぜ認められない? LGBT法の基本から、法整備の現在地まで
2025.8.15閲覧
みんなのパートナーシップ制度
パートナーシップ制度について
2025.8.15閲覧
公益社団法人MarriageForAllJapan - 結婚の自由をすべての人に
2月15日(水)超党派の議員連盟「 LGBTに関する課題を考える議員連盟 」(略称LGBT議連)の総会 が開かれました!
2025.8.15閲覧
Equality Act Japan
「今日から歴史は変わる」LGBT法案見送りを受けて記者会見【発言まとめ】
2025.8.15閲覧
株式会社OUT JAPAN
いくつものメディアが「LGBT差別増進法案」の問題点を報道しています
2025.8.15閲覧
Spaceship Earth
LGBT理解増進法とは?(IGBT法案)何が問題?何が変わる?銭湯など問題点をわかりやすく解説
※原文ママ
2025.8.15閲覧
LGBT法連合会
【声明】性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案の成立についての声明
2025.8.15閲覧
公益社団法人MarriageForAllJapan - 結婚の自由をすべての人に
パートナーシップ制度導入自治体
2025.8.16閲覧
Spaceship Earth
同性婚とは?日本で反対されていたり認められない理由は?世界の現状とメリット・デメリットを紹介
2025.8.16閲覧
朝日新聞GLOBE+
【解説】パートナーシップ制度とは?同性婚との違い、違憲判断が相次ぐ裁判の状況は?
2025.8.16閲覧
日本テレビ
世論調査(2023年2月)
2025.8.16閲覧
社会応援ネットワーク『図解でわかる 14歳からのLGBTQ+』
太田出版、2021.9.28、52~63ページ

