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【取材】特定非営利活動法人 SHIP 宮島謙介さん

そして私たちは、おもに神奈川県で活動を行っている特定非営利活動法人 SHIP の宮島謙介さんに取材をさせていただきました。


目次
  1. 特定非営利活動法人 SHIP について
  2. 当事者に関わる身として、LGBTQ+の人たちについてどのような考えをお持ちですか?
  3. LGBTQ+の方たちとの接し方はどのようにすればよいのでしょうか?
  4. もし、知り合いなどからカミングアウトされた場合、どのようにすればよいのでしょうか?
  5. 中高生の私たちにLGBTQ+に関してできることはなんですか?

特定非営利活動法人 SHIP について


特定非営利活動法人 SHIPの宮島謙介さん

宮島謙介さん(以下宮島さん):

活動内容はホームページ見てもらったほうがわかりやすいと思うんですけど、性的マイノリティの福利厚生のために活動をしています。
主に3つの柱があって、健康づくり事業、啓発事業、コミュニティづくり事業です。 そのコミュニティづくり事業の中に、性的マイノリティに関わる困りごとを抱えている方の相談に乗ったり、集まる場を設ける居場所事業をやっています。

※補足
SHIPにじいろキャビンのホームページはこちらです。

一定数どこにもいる人っていう感じ

───当事者に関わる身として、LGBTQ+の人たちについてどのような考えをお持ちですか?

宮島さん:

SHIPのターゲット層が困っている人やこのような活動にニーズがある人たちなので、悩みがある人が多いんですけど、LGBTQ+の人たち全員がそういうわけではないというのは勘違いしないでほしいですね。 みんな元気で健康ですし。
一定数どこにもいる人っていう感じですね。しかし、人によって幅もあると思うんですけど困っているのって社会的な構造がその人を困らせているんですよね。
例えば、昔エイズっていう病気が流行りはじめた頃。 当時は発症したら2~3年で死んでしまう病気だったんですけど、当時から、かかった人の中にはゲイの人たちが多かったんですよね。 保健所に行ったら馬鹿にされるような、変な目で見られるような反応で。繰り返し検査を受けたら「税金の無駄遣い」とか言われたりしてなかなか行けなかったんですね。 そうやってゲイの人たちはエイズの検査や治療が遅れていたんです。
皆さん「個別施策層」ってご存じですか? もともと男性同士で性的な接触をしている人や薬物依存している人、性的接触でお金を稼いでる人などを「ハイリスクグループ」と呼んだんですけど厚労省が「こういう人たちに適格、的確な保健を届けたい」というニュアンスで呼び方を変えています。 今は予防や早期発見を目的とした「個別施策層」向けの施策ができてSHIPで行っている検査も厚労省からお金が出ています。
ほかには、「幸せ」への偏見があると思っています。例えば結婚して子育てするのが「幸せ」ということです。 また、両親が自分の子供が同性を好きだってわかったときに心配しているのは多分、自分が結婚して子育てしてきた以外の「幸せ」を経験していないからそのような心配をしてしまうのでしょう。

接し方で最重要なのは呼び方

───LGBTQ+の方たちとの接し方はどのようにすればよいのでしょうか?

宮島さん:

まず気を付けていることは呼び方ですね。ホモ、オカマ、レズというようなやつで、なぜ嫌だと思っているかというと、オカマは江戸時代から使われていた侮蔑的表現、レズは昭和時代の異性愛男性向けの性産業が発祥であるといわれているのでネガティブな印象を抱く表現だからですね。 ホモという用語はもともと学術研究で言われていました。「えっ?私たちは実験台じゃないんだけど」みたいに不快に感じる人が大半ですね。
私たちも失言でそのような否定的な呼び方をしてしまって「やっちゃった」となるときがあるんです。 過去にゲイの方と話したときに「私もオカマの友達がいてー」と言ったヘルスケア・ワーカー(相談に乗る人)さんがおりましてね。「他の担当者に代われ」と言われてしまったそうです。やはり、接し方で最重要なのは呼び方だと思いますね。
ほかには”男らしさ”や”女らしさ”といった言葉で傷つくことも多いです。小学生のころなどに価値観を押し付けられたりいじめられた経験から、大人になってからの何気ない言動で傷ついてしまったりするんですよね。
例えば、大人になってお酒の注ぎ方で「女性みたいな注ぎ方だね」といわれてハラスメントとして退職した事例もあります。 しかし、言った側からしたらなぜそんなに嫌だったのか伝わらないじゃないですか。そういったトラブルは多い気がしますね。

カミングアウトは相手を信頼してするもの

───もし、知り合いなどからカミングアウトされた場合、どのようにすればよいのでしょうか?

宮島さん:

まず、カミングアウトは、相手を信頼してするものだから、私たちが考えている最適解は「言ってくれてありがとう」だと思います。
ただし、カミングアウトが愛の告白と混ざって誤解されることが多いと感じています。
また、カミングアウトされた場合に、周りの人に言いふらしたりすることを「アウティング」と言って、裁判に発展することもあるほどダメなことなので気を付けてほしいですね。
そして、会話の流れでカミングアウトされた場合。例えばAさんがBさんに「恋人がいる」と伝えていた時に、Bさんが「彼氏と~~」といったらAさんが「いや、彼女だよ」と返す感じです。流れでカミングアウトされた場合は否定されたように感じるかもしれないけど、 さっきのように自分のことを信頼して話してくれているということです。みなさんも、嫌いな人には秘密を言おうとしませんよね?
あと、カミングアウトされたときに「かわいそう」など、憐れみの言葉をかけたくなるのかもしれないですが、これもさっきのように信頼して言ってくれたことなのでこういった場合にも「言ってくれてありがとう」が最適解だと思います。

できることは「知っていくこと」

───中高生の私たちにLGBTQ+に関してできることはなんですか?

宮島さん:

できることは「知っていくこと」だと思います。
例えば、アメリカではクラブ活動で「GSA」というものがあって、これは「Gay-straight alliance(ゲイストレートアライアンス)」の略でセクシュアリティの啓発などをするクラブで、調べたものを発表したり勉強したりするんです。 大学でGSAに入っていましたというと仕事が探しやすかったり、内申点が上がったりするなどで入っている子も多いんですけどね。
あとは、「ピンクシャツデー」といって、みんなでピンクのシャツを着ていこうという日があったりしますね。
日本では総合学習や探求の授業でLGBTQ+をテーマにして調べて発表することですかね。SHIPにも年間15~20件ほどインタビューの依頼があって、すごくありがたいと思っています。
他には、11月に横浜市内の大学のオープンキャンパスで「プライドフェア」というのをやっていて、6色のミサンガを作ることができるんです。 メインは展示なんですけど、子どもをあつめたりするために去年からやっていますね。

次のページにプライドフェアに行った際のレポートがあります。


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