TOP / 保存食について学習 / 塩で保存  
 
 
 食材が腐ったり痛んだりする原因は、細菌やカビ、酵母などの微生物が腐敗菌として増えていくからです。塩には食材そのものだけでなく腐敗菌の水分も奪う性質があるので、腐敗菌が生きていけなくなり、食材が長期保存できるようになるのです。
 さらに塩には腐敗菌を殺す効果だけでなく、いろいろな効果があります。例えば、燻製を行う前に肉に塩漬けをおこないます。塩漬けにする事によって、塩に含まれているミネラルが肉の持つ旨みを引き出し、より美味しくする効果があります。塩には、いろいろな力があるのです。
 
■ 塩は二日酔いを治す!
 二日酔いの原因は、肝臓がアルコールを分解できずに体内に蓄積されることです。
その肝臓の働きを助けてくれるのが塩です。

■ 便秘を治す!
 塩は腸の動きをよくします!
 
 塩で食品を保存する技術は、奈良時代からありました。当時は宮廷への献上品として、魚の干物が使われました。魚の干物でいうと、全国的に広まったのは江戸時代です。しかし、当時は保存性を高めるために、塩を強くして中まで乾燥させる方法でしか保存できませんでしたので、しょっぱくて固い食べ物でした。今の半生で薄塩の干物は、流通が発達しているから可能なのです。
 
 中世ヨーロッパでは、塩を使って肉や魚、野菜をすでに保存していました。また、イエス・キリストも塩の保存性に着目し、弟子達に教えています。 中でも、大航海時代のポルトガルでは塩ダラの貿易が漁業と製塩業の発展を促しました。その理由は塩を作る人工池(塩田)を作る技術が発達し、塩の生産量が増加したからです。結果、塩漬けの魚の生産量の増大につながり、ヨーロッパ各地の人々を飢餓から救いました。