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■特徴
 缶詰は食料の長期期間の保存を目的としてつくられたものです。長期保存ができ、缶詰自体が安価で経済的、調理済みの食品が保存できるため、栄養価が高い食材を保存できます。

■なぜ作られたのか

 遠征時の食料問題に悩まされていたナポレオンからの募集で、1804年にフランスのニコラ・アペールによって長期保存が可能な瓶詰めが発明されました。しかし、ガラス瓶は重くて破損しやすいという理由から1810年にイギリスのピーター・デュラントによって金属製の容器に食品を入れる缶詰が発明されました。しかし、当時は缶切りがなかったので、開けるのに苦労したようです。
■特徴
 真空凍結乾燥技術のことで、これはあらかじめ加熱や味付けなどの処理をした、水分を含んだ食品原料をマイナス30℃程度で急速凍結して、さらに減圧して真空状態で水分を昇華させて乾燥することです。食品自体が持つ栄養成分や風味の変化が少なく、低水分であるため軽く持ち運びがとても簡単です。そして常温で長期間保存することが可能です。

■なぜ作られたのか
 1950年代にアメリカが軍用の携帯食の軽量化を目的に本格的な研究が開始され、フリーズドライが開発されました。近年では、インスタント食品や液体を乾燥させて保存できる技術やフリーズドライの技術を応用した宇宙食が開発されています。
■特徴
 長期期間の保存を目的としていて、冷凍状態のままの食品のことをいいます。とりたての新鮮な原料を急速冷凍し、調理食品などは調理加工したうえで、急速冷凍してからマイナス18度で保存されます。新鮮な風味や栄養素を保つことができます。

■なぜ作られたのか

 アメリカにおいて日持ちしないイチゴを輸送するために、イチゴを冷凍したことが始まりだといわれています。冷凍食品がはじまった当初は歯ごたえが悪いことや味が落ちることが懸念されてきましたが、近年では急速冷凍技術が開発されたことで改善されてきました。
■特徴
 気密性や遮光性を持つ容器で密封し、加圧加熱殺菌をした食品のことをいいます。加圧加熱殺菌により、一般的な食中毒細菌の中でも耐熱性の高いボツリヌス菌を殺菌することができるようになりました。

■なぜ作られたのか

 缶詰のデメリットである空き缶処理の問題を改善する狙いで作られました。缶詰に比べて、携帯に便利で処理も簡単に済ますことができます。アポロ計画においてレトルト食品は宇宙食として採用され、日本でも常温で保存することができる加工食品として人気を保っています。
■特徴
 非常食は調理に手間がかからなく、持ち運びにも便利な上、栄養価が高く腹持ちがよいことが特徴です。例えばアルファ化米という米があります。急速乾燥させた加工米があり熱湯で約30分、水で約70分で戻して食べることができます。最近のは食感も良く、五目御飯や赤飯、チャーハンなどの様々なバリエーションがあります。
 また、カンパンという非常食の定番で、保存や携帯に便利な固く焼いたビスケットもあります。保存期間は約5年です。カンパンと一緒に氷砂糖や金平糖が入っているものもあり、これは糖分を補うため、唾液を出やすくするためにあります。その他にも保存期間が20年以上もつ保存缶などがあります。
■なぜ作られたのか

 何時起こるか分からない災害や紛争などの非常事態が起こった場合、食料や飲用水などの確保はとても困難です。それを防ぐために事前に準備をしておくために作られました。