実験で楽しくなる力学教室
Chapter 1
Chapter 2
さまざまな力
重力
磁力
垂直抗力
摩擦力(1)
摩擦力(2)
摩擦力(3)
空気や水の抵抗力
糸の張力
フックの法則
圧力と気圧(1)
圧力と気圧(2)
水圧と浮力(1)
水圧と浮力(2)
Chapter 3
2-11. 圧力と気圧(1)
ここに鉛筆がある。これを左右から押してみよう。
うぅ、尖っているほうが指に刺さって痛いです……。
確かに、痛いね。
この時鉛筆は止まっている。……ということは?
つりあっている?
そのとおり。つまり
鉛筆が受けている力は左右とも等しい
ということだ。
……ということは、逆に
指それぞれが鉛筆から受けている力も左右とも等しい
といえるね。
でも、
尖ったほうが力が強く感じた
けど・・・。
そうだね。右手だけ痛いのはどうしてだろう?
……つりあっているように見えて、実はつりあっていないのでは?
それはちょっと違うかなぁ。鉛筆は確かに静止しているよね。
ええ。
両指の違うところは何だろう?
右手が接しているほうの先端は尖ってる……。
そうだね……尖っているということは言い換えると『
接触面積が小さい
』ということになるよね?
この鉛筆だと、尖っているほうは1
にもならないことになってしまいますよ?
そうだねぇ……。こんなふうに、
同じ大きさの力でも、接触面積によって効果が変わってくる
んだ。
圧力
なので『
単位面積
(1
や1
)
あたりに受けている力の大きさ
』を単位をつけて表して使おうじゃないか、 ということになった。
その『
単位面積あたりの力
』のことを『
圧力
』というんだ。
この『圧力』って、これまでやってきた、重力とか摩擦力とかと同じ"力"の仲間なんだよね?
いや、圧力は力そのものというより、『
力を使って表される、力と関係のあるもの
』と言ったほうがいいだろうね。
なぜなら、さっきの鉛筆だって『同じ力の大きさだけれど圧力が違った』じゃない。
じゃあ、この前やった『遠心力』と同じようなものなのかな?
ほら、本当は力じゃないけど力として表しているっていうような……。
それも違うかな。見掛けの力とは関係ないよ。『圧力』は面積と力が関係した全く新しい『量』なんだ。
単位は、その決め方通りなら
あたり何[N]受けていますよ、ということで
と表されるところを、 "1
=1[Pa](パスカル)"として、
パスカル[Pa]
という単位が使われているよ。
そっか、重力のような"力"でもない、けれど遠心力のような"見かけの力"でもない……まったく新しい第三の力なんだね。
うーん、そういっても良いのかなぁ……。
このとき、かかっている圧力がわかっている場合は、
面積を調べて、その圧力と掛け算してやれば面にかかっている力がわかる
よね。