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接触していてはたらく力の代表として、垂直抗力があるんだ。
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垂直抗力……ですか?
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例えばまず、トランポリンの上に人が立っている様子を考えてみよう。
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トランポリンは凹むと、元の平らな状態に戻ろうとする力が起こるよね。
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はい。
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人がトランポリンを押す力と、トランポリンが人を押す力は作用反作用の関係にあるね。
そして人が止まっているということは、トランポリンが人を押す力は、人にかかる重力とつりあっている。
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でも、トランポリンは凹んだ状態になってつりあってるよね。
人が乗っても、トランポリンが平らなままではつりあわないのは何でですか?
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トランポリンには力、つまりは人の体重がかかっているんだけれど、
はじめのほう(1-2. 「力」って何?)でやった『物体は力を受けると変形する』という性質がある、というの覚えているかな?
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えーと……。
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消しゴムを押してみるのを例に挙げたように、物体は力を受けると変形する。
粘土のように変形したままの形になってしまうこともあるけれど、元に戻ろうともする物体も多いよね。
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その一つがトランポリンという訳ですね……。
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『変形したらもとに戻ろうとする』という性質を『弾性』というんだ。
トランポリンや消しゴム、ゴムボールなんかが分かりやすいね。
そして元に戻ろうとして引っ張ったり押したりする力のことを『弾性力』というんだ。
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つまりは、『粘土は弾性が小さい』ということだね。
逆に、『トランポリンは弾性が大きい』。だから、へこませた分だけ押し返してくるんだ。
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それでは、机に物体を置いた時はどうだろう?
物体には重力が働いているのに、物体は落ちていかない。重力とつりあっている力があるからだよね?
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机が物体を支えているんですね。
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そのとおりなんだ。その机から物体に働く、机の面に垂直な力を垂直抗力と呼んでいる。
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机が物体を押すなんて信じられない、という人はさっきのトランポリンを思い出してほしい。
実は机も、他の物体も、小さな小さな粒子が引っ張り合って、一緒になることで形作られている。
物体の硬さはその粒子の結びつきの強さによるものなんだ。
外から力が加わると、その小さな粒子が引き合ってできている面は、ほんとに少しだけたわむはずだよね。
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粒子があまりにも小さすぎるから肉眼では見えない。だから凹んでいるように見えないんですね。
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そういうこと。イメージを図にするとこんな感じかな。

どんなに硬い、つまり粒子の結びつきの強い物体でも、表面をものすごく拡大してみると、
まるでトランポリンと同じかのように、押した部分はわずかに凹んでいて、その分、元の平らに戻ろうと逆に押し返しているんだよ。
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他にも……例えば、壁を手で押してみよう。この時、手が壁を押す反作用で、壁も手を垂直に押しているね。
だから手は止まったまま。このときも手が壁から受ける力を垂直抗力と呼ぶんだ。
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壁を殴ったら痛いのはこのせいなのでしょうか?
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そうだね。
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垂直抗力の量記号はNを使うことが多いかな。N[N](エヌ[ニュートン])となるけど、怒らないでね。
そして物体が面に及ぼす力をFとすると、N=-Fが成り立つね。
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ということは、壁を殴ったときも、手は壁から殴った力の分だけ、反作用として力を受けるということだね。
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じゃあ、殴っただけ自分が痛むだけなんだぁ……。
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……骨折した人、数名知ってるから気をつけてね。
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