日本の対策

日本ではまだ、諸外国のように国の運営や人の人生を左右するようなフェイクニュースが作成されていないと捉えられてしまうかもしれません。しかし前ページまでに紹介したように、日本だからと言ってフェイクニュースが存在しないということも当然なく、いずれそのような重大な問題が発生してしまうのも想像に難くないでしょう。実際、一部の自治体では知事選などの投票戦にて、出所も不明な偽情報がインターネット上に拡散された事例も存在します。それ故、そんな事態を防ぐために現在では日本でも政府や企業などがフェイクニュースへの対策を進めています。このページでは、そんな日本での対策を紹介 します。

< 政府の対策 >

 フェイクニュースに関する問題はいずれ深刻化すると予想されているはいえ、日本では表現の自由を重要視する考え方からフェイクニュースの問題に対する政府の介入は慎重になるべきとされています。よって、政府が進めることが可能な主な対策としては企業や国民などの民間の自主的な対策を促すことに絞られています。特にSNS等個人が自由に入力できるプラットフォームではその事業を展開している事業者にフェイクニュースを削除するよう要請する等、個人が発信した情報の内容への判断が必要な場合政府は慎重な対応を心掛けています。
スマートフォン
スマートフォンイメージ / "PIXADAY"より引用
 その他、ヨーロッパのEUを参考に、フェイクニュースへの具体的な行動規範を定めるよう要請も出しています。また、その具体的な方針として政府は「プラットフォームサービスに関する研究会」にてフェイクニュースの傾向と対策をまとめ、行動方針の目安を提示しています。そこでは主に行動方針の他、フェイクニュースや偽情報の具体 的な定義、海外の参考にする対策、そして日本という国のフェイクニュースに対するこれからの方針が明確に考えられ、また文字に起こされています。
この様に日本政府は最近になってフェイクニュースに対する方針を立てました。それは、日本は今までフェイクニュースの被害を受けることが少なく、それ故政府だけではない国民全体の危機意識が低いことを表していると見る事が出来ます。しかし、前頁までに紹介したように、日本でのフェイクニュース被害は世界のそれに伴い増加傾向にあります。政府が方針を立てたのに従い、また自分達でも前頁までに意識するべきと紹介したものを頭にとめ行動していくことが重要だと考えます。

< 企業の対策 >

様々な企業が存在する中で最もフェイクニュースに関連し被害も多い、SNSを運営する企業の中で大手と言われる企業規模の物はその殆どが海外に本社を持つものです。そのため、まだその事例が少ない日本企業と違い危機意識が高い傾向にあると感じられます。特に直近の出来事として海外ではアメリカ大統領選挙をはじめとして様々な場所で国家の運営や一人の人生を壊すようなフェイクニュースの事例がSNS上で多く発生したため、日本にあるSNS関連の海外企業でも対策を進めています。この項ではそんな状況下で日本の企業で完結しているものを紹介します。
 「セーファーインターネット協会」というものがあります。日本のIT企業らが設立した一般社団法人であり、その目的はインターネットの悪用を抑え自由なインターネットの利用環境を守るために対策を立案し実行していく、というものです。そしてその目的の中にはインターネット環境を脅かすフェイクニュースに対するものも当然含まれています。その一つとして、プラットフォームサービス、つまりSNSのようなサービスに関する研究会等を開催しています。

メディア
メディアイメージ / "PIXADAY"より引用
この研究会にはYahoo!やGoogleなど様々な大手IT企業が参加しており、Twitter、Facebookなどの有名なSNS企業もその一員です。そこでは、欧米でのフェイクニュース対策を例に挙げ国内でも対応を急ぐ必要があることを確認し、具体的な実態調査の計画や対策方法を確認しました。しかし、やはり日本では表現の自由との競合により気を遣う必要があるため、月に一回程度の検討会を開催し報告書を集め対策方法を確立していっています。

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