スターバックスのロゴに描かれてる女性は「セイレーン」という猛禽類の体と女性の頭をもった怪物で、「サイレン」もセイレーンからきています。
右図https://www.starbucks.co.jp/から引用
スターバックスのロゴに描かれてる女性は「セイレーン」という猛禽類の体と女性の頭をもった怪物で、「サイレン」もセイレーンからきています。
右図https://www.starbucks.co.jp/から引用
ギリシャ神話では、猛禽類の体と女性の頭を恐ろしい怪物で、しかも人喰いです。(中略)セイレンは、なぜこんな恐ろしい姿なのでしょう。彼女達は罪を償っているのです。しかし罪自体は、さほど重いものではありません。もとは普通の女性で、ペルセポネ(P46)に仕えていたのですが、ハデス(P32)がペルセポネを誘拐(P46)したときに、抵抗しなかったことをとがめられたのです。(中略)ペルセポネの母デメテル(P36)は、悲しみのあまり公平な判断力をなくしていたのでしょう。彼女は罰として、娘たちをハデスの神託を歌う鳥の姿に変えたのです。
オード・ゴエミンヌ「ギリシャ神話キャラクター事典」2020、グラフィック社、p.126
冬季限定で販売されるロッテのバッカスは、オリンポス十二神にも数えられることもあるディオニュソスの英語名となっています。
右図https://www.lotte.co.jp/
products/brand/
rummy_bacchus/から引用
「バッカス(ディオニュソス)」というと今でも「お酒の神様だ」とわかるくらい知名度は高いし、ワインのラベルにも陽気な酔っ払いの絵で描かれていてとてもイメージしやすい神様です。
藤村シシン「古代ギリシャのリアル」2015、実業の友社、p.196
NIKEのロゴは知恵と戦いの女神アテナの従者である「勝利の女神ニケ」からきています。
右図https://www.nike.com/jp/から引用
ゼウスやアテナをしばしば助け、競技会を取り仕切り、勝利者にはシュロの冠を授けた。女神にしては珍しく、ニケは特別な力は持っていない。主な特性は、そのスピードと、幸運をもたらすことである。
マルコム・デイ「ギリシア・ローマ神話人物記」2011、創元社、p.53
アキレス腱はトロイア戦争の英雄アキレウスの唯一の弱点(踵)からきています。
アキレウスはテティスの息子。テティスはオリュンポスから投げ捨てられたヘパイストス(P28)を救い、育て上げた海のニンフ〔自然界に現れる女性の姿をした精霊〕です。テティスは、息子の命を永遠に保ちたいと望み、冥界に流れるステュクス川〔この世とあの世を分ける川〕に息子を浸しに行きます。息子のかかとを持ってできる限り水に浸したので、かかとが彼の唯一にして最大の弱点になりました。
オード・ゴエミンヌ「ギリシャ神話キャラクター事典」2020、グラフィック社、p.100
沈没船として有名なタイタニック号のタイタニックは主神ゼウスたちの父親世代の神様の一部を指す、ティタン親族から来ています。
ティタン親族は、指導者であるクロノスがゼウスによって追放されるまで、世界を支配していた巨人たちである。12注のティタン親族は、すべてウラノス(天空)とガイア(大地)の子供である。
マルコム・デイ「ギリシア・ローマ神話人物記」2011、創元社、p.44
元素番号22のチタンは主神ゼウスたちの父親世代の神様の一部を指す、ティタン親族から来ています。
父 大いなる天はこれらの者どもを綽名してティタンども と呼んだのだ 自分の儲けた子供たちを罵って。
ヘシオドス「神統記」1984、岩波文庫、p.32
朝ごはんとしても大活躍のシリアルは女神デメテルから来ています。
デメテル(ケレス)は、「小麦のような」金色の髪が印象的な美しい女神。穀物を育てる力を持っているのは、偶然ではありません。穀物、すなわちシリアルの語源はケレスです。人間たちに農業をもたらした女神は、深く敬われていました。一人娘のペルセポネ(P46)がさらわれると、深く懊悩しました。
オード・ゴエミンヌ「ギリシャ神話キャラクター事典」2020、グラフィック社、p.36
現代でも使われるパニックという単語はディオニュソスという葡萄酒の神様お気に入りの牧羊神のパンから来ています。
このディオニュソスお気に入りの悪戯者の神は、ヤギの角と脚を持って生まれた。(中略)パンは普段は遊び好きだったが、短気な面が表に出ると、静寂な田園はたちまち騒乱状態に陥った。パンにとって、動物や人間に不可解な恐怖感を与えるのは容易なことだった。パンのこの力から「パニック」という言葉が生まれた。パンは昼間にパニックを起こすことも、夜中に悪夢を見せることもできた。
マルコム・デイ「ギリシア・ローマ神話人物記」2011、創元社、p.80
ミュージック、ミュージアム、ミューズ(女神)という単語は全て主神ゼウスの娘たちのムーサから来ています。
不死の美しい処女ムーサたちは、よく輪になって踊る姿で描かれます。現代では、ムーサ(ミューズ)と言えば、アーティストにインスピレーションを吹き込む存在です。事実、この9人の姉妹は、至高の才能や能力のシンボルであり、人間にそうした才能を吹きこんでいました。
オード・ゴエミンヌ「ギリシャ神話キャラクター事典」2020、グラフィック社、p.58