いて座は半人半馬のケンタウロス族の中で唯一の賢者であるケイロンの姿を象っています。 ですが、他のケンタウロスとは異なり、 主神ゼウスたちとは異母兄弟に当たります。
いて座は半人半馬のケンタウロス族の中で唯一の賢者であるケイロンの姿を象っています。 ですが、他のケンタウロスとは異なり、 主神ゼウスたちとは異母兄弟に当たります。
ケンタウロス族の中で最も名の知れたケイロンは、この族特有の力や並外れた能力を持っていましたが、彼らほど凶暴ではありませんでした。それどころか、英知と賢明さを持ちあわせ、教育者として神々からの大きな支持を得ていました。特に医学の神アスクレピオス(P48)とアキレウス(P100)を教育したことで有名です。(中略)クロノスは結婚している身でありながら、妻に見つからないよう雄馬に姿を変えてニンフ〔自然界に現れる女性の姿を精霊〕であるピュリラと交わりました。そのため、生まれてきた子供は半人半馬。ピュリラは我が子のあまりの姿におののき、神々に頼んで自分を菩提樹に変えてもらい、生まれたばかりの赤ん坊を捨てました。クロノスも、道ならぬ恋から生まれた子の父としての責任を果たさず、ケイロンは完全な孤児となってしまったのです。
オード・ゴエミンヌ「ギリシャ神話キャラクター事典」2020、グラフィック社、p.122
さそり座は高慢だったオリオンが神の怒りを買ってしまい。神はさそりをオリオンにけしかけます。そのさそりを象っています。
アポロン(P22)の双子の姉アルテミス(P26)はオリオン(P66)に恋をし、気を悪くしたアポロンはオリオンを亡き者にしようとサソリを送りこみました。夏、オリオン座が沈むころ、さそり座がのぼってきます。サソリは、永遠にオリオンを追いかけているのです。
オード・ゴエミンヌ「ギリシャ神話キャラクター事典」2020、グラフィック社、p.154
おひつじ座は英雄イアソンが奪ったコルキスという国の宝である金羊毛皮を象っています。
イアソンの両親は、テッサリア地方のイオルコスを治めていましたが、ポセイドン(P14)の息子である叔父ペリアスにより王位を追われていました。息子を殺されることを恐れた彼らは、イアソンが生まれると、死産と嘘をつき、お葬式まで挙げました。そして、ひそかにイアソンをケンタウルス族の賢人ケイロンのもとにやり、賢人の教えを受けたイアソンは優れた戦士に成長します。ケイロンは、イアソンが16歳になると、彼に出生の秘密を教えました。こうしてイアソンは故郷に戻って王位を奪回することを決意します。(中略)ギリシャ人の例にたがわず、イオルコス王ペリアスも神々を恐れていました。それだけに、城に迎え入れた甥のイアソンを祝祭の日に殺すなどもってのほかで、3重の罪に思えて苦悩します。親族、客へのもてなし、祝祭はいずれも極めて重賞でした。困り果てたペリアスは、イアソンの要求を受け入れたふりをし、ゼウス(p12)が贈ったと言われる「空飛ぶ羊の金羊毛」を見つけてくるよう難題を課しました。
オード・ゴエミンヌ「ギリシャ神話キャラクター事典」2020、グラフィック社、p.76
英雄ヘラクレスが行った12の難業で最初に倒した ネメアのライオンを象っているものになります。
ライオンの皮は攻撃を受けてもびくともせず、どんな武器も炎も通じません。そこでヘラクレスはなんと素手でライオンを窒息させると、唯一皮割くことができるこのライオンのかぎ爪を裂くこのができるこのライオンのかぎ爪を使って胸当てを作り、その頭を兜にしました。
オード・ゴエミンヌ「ギリシャ神話キャラクター事典」2020、グラフィック社、p.71
かに座のカニは友達のヒュドラがヘラクレスに倒されそうになっている時に助けに向かったカニです。
ヒュドラは多くの頭を持ち、切られても次々と新しい頭が生えてくる水蛇で、底なし沼にすみ、毒を含んだ息を吸った者は絶命すると言われていました。ヘラクレスは、アテナ(P18)の助けを借り、剣を灼熱の火で熱して、ヒュドラの頭が生えてこないよう切り口を熱灼しようと考えます。一方、ヘラは、戦いの最中にカニにヘラクレスを噛ませようとしますが、ヘラクレスはかかとで潰しました。
藤村シシン「古代ギリシャのリアル」2015、実業の友社、p.71
おうし座は主神ゼウスがフェニキアの王女のエウロぺを攫うために雄牛に変身した姿を象っています。
ヨーロッパの語源となったエウロぺ。ゼウス(P12)のあまたの愛人の中でも知名度の高い姫ですが、実はヨーロッパ人ではなくレバノン人。(中略)ゼウスは、雲に乗ってのんびりとシドンの町の上を通っていましたが、たまたまエウロぺを目にし、恋におちました。(中略)エウロぺが花を摘んでいると、立派な牡牛が目に入りました。(中略)その背にまたがり、友人たちについてくるように言いました。しかし、牡牛に化けたゼウスは、エウロぺを乗せるとかけ足で連れ去りました。
オード・ゴエミンヌ「ギリシャ神話キャラクター事典」2020、グラフィック社、p.65
ふたご座は主神ゼウスとスパルタの王女レダとの間に生まれた子供ディオスクロイを象っています。
カストルとポリュデウケスは神話に登場する二卵性双生児。ポリュデウケスはゼウス(P12)の息子で神、カストルは王の息子で人間です。(中略)アルゴ号の仲間でイーダスとリュンケウスの結婚式に招かれた2人は、それぞれの花嫁に一目ぼれし、さらってしまいました。残された花婿は怒り狂い、追跡します。そのうち1人がカストルを倒すと、カストルとポリュデウケスに味方していたゼウスが雷を落とし、ポリュデウケスはもう1人の花婿を倒すことに成功しました。けれども、カストルの死から立ち直れないポリュデウケスは、ゼウスに奇妙な願いをします。それは、1日おきに自分の不滅の命をカストルに分けることでした。この願いは聞き入れられました。
オード・ゴエミンヌ「ギリシャ神話キャラクター事典」2020、グラフィック社、p.82
おとめ座は穀物の女神デメテル、またはデメテルの娘のペルセポネまたは、正義の女神アストライアを象っています。(デメテルはシリアルを参照)
デメテル(P36)の娘ペルセポネは、麗しの処女。しかし、叔父ハデス(P32)に連れ去られ、結婚させられることに。冥界の女王となりますが、1年の半分を過ごしに地上に戻ってきます(#バカンス)。
オード・ゴエミンヌ「ギリシャ神話キャラクター事典」2020、グラフィック社、p.46
ゼウスと正義の女神テミスとの娘.黄金時代に地上に住んでいたが,のち天界に去り,星(処女宮Virgo)となる.正義の女神と同一視された.
“アストライア(Astraia)”, 岩波 世界人名大辞典(岩波書店), ジャパンナレッジSchool, https://school.japanknowledge.com, (参照日:2024/11/12)
てんびん座は正義の女神アストライアの持ち物である天秤を象っています。
おとめ座(→P16)になったともいわれる正義の女神アストラエラ(アストライア)が手にしていたのは、正義のてんびんだといわれています。
東ゆみこ「夜空が楽しくなる星座の伝説大図鑑星になった神々の物語」2012、PHP出版、p.28
みずがめ座は主神ゼウスが攫った美少年ガニュメデスを攫った時の姿を象ったものです。
『イリアス』に登場するガニュメデスはトロイアの王子で、世界一の美男子と謳われていました。鷲に身を変えて飛んでいったゼウスは、彼を見つけてさらってしまいます。そしてオリュンポスへ連れていき、愛人にして、飲みものを注ぐ従者としました。
オード・ゴエミンヌ「ギリシャ神話キャラクター事典」2020、グラフィック社、p.154
うお座は怪物テュポンから逃げようと、魚に姿を変えて川に飛び込んだ美の女神アフロディテとその息子エロスを象っています。
ある日、恐ろしい怪物テュポン(「煙」の意)がゼウス(P12)を王位から引きずり降そうと、襲いかかりました。オリュンポスの住人たちはパニックにおちいり、動物に変身して逃げ、アプロディテ(P20)と息子のエロス(P44)は2匹の魚になります。このときの恐ろしさの記憶として、ゼウスはうお座を作りました。
オード・ゴエミンヌ「ギリシャ神話キャラクター事典」2020、グラフィック社、p.154
やぎ座は怪物テュポンから逃げようとしたパンが変身した姿を象っています。
パンが起源と考えられます。パンはティタノマキア(ティタン神族の戦い、P56)で山羊魚に変身して敵の手を逃れ、その後、ゼウスに手を貸しました。
オード・ゴエミンヌ「ギリシャ神話キャラクター事典」2020、グラフィック社、p.154