ギリシャ神話って?

そもそもギリシャ神話って何?

ギリシャ神話は古代ギリシャで信仰されていた物語だよ。キリスト教だと、神様は絶対的な存在として扱われるよね。でも古代ギリシャはそれとはまた違った扱いをしていたんだ。

古代ギリシャにおける神と人間は、ちょうどこの人間と虫との関係に似ています。つまり神々は「人間から見ると強大な力を持つ超越的存在だが、慈悲深いわけでもなく、ましてや人類全体を愛してもいない」ということです。そして古代ギリシャの神々と人間を分ける唯一の違いは「死ぬか、死なないか」でした。そういう意味では、人間とは「死すべき神」、神とは「不死なる人間」と言い換えることもできます。それほどに神々は人間と同じく、いえそれ以上に情熱的で嫉妬深く、残酷だったのです。人間と同じ姿で、同じように笑い、嘆き、怒り、恋し、嫉妬し、憎み、しかし我々が考えもつかない理由で簡単に人間を殺す。恐ろしい不死なる存在──これが古代ギリシャ人の信じた神々の姿でした。
藤村シシン「古代ギリシャのリアル」2015、実業の友社、p.48

なるほど、死ななければ神様で死んでしまうのが人間っていう違いなんだね。神様が慈悲深いというわけではないといった点でも他の宗教ともかなり違うことがわかるね。

ギリシャ神話の神様はローマ神話の神様と同一視されることが多いんだ。ローマ神話の神様は姿形がなかったからギリシャの神様の姿を借りているよ。

次:読むにあたって重要なこと