さっきの『睡眠をとれない理由』のデータだけどさ、まず、全国も校内も、どちらも『夜更かし』が多い!
‥あっ、『生活の実態』のページに載ってた『平均的な中高生の生活』の表を見ても、確かに夜更かし多いね・・・・。
夜更かしの原因は何なの?
夜更かしの原因に関する全国のデータがここにあるよ。
うわー。皆、画面を見てやるものだね。
うん。でね、特に多いこの『インターネット』・『ゲーム』の中での70%が『スマートフォンで利用することが多い』と答えたんだ。
へー!そんなに!?『スマホと睡眠不足』は『理想の睡眠』でもやったけど、やっぱりすごいなぁ‥‥。
うん。今、スマートフォンを所有する中高生の43%(半数近く)が『暇さえあればスマートフォンでインターネット・ゲームをする』というんだ。
えー!?す、すごいね‥。スマホの影響。私ガラケーだからな‥‥‥‥!
うん。さらに、携帯電子端末のメインがスマートフォンに変わってから、『勉強と睡眠時間が減った』と答えたのはスマートフォン所有中高生の57%なんだ。
これをもう、睡眠をはじめとした中高生の生活にスマートフォンが大きく関係していることは言うまでもないね。
うん。それは『スマホと睡眠不足』でもやったね。でも、睡眠時間が減るってことは…‥寝る前に使用している、ってこと?
そうなんだよ。今は、スマートフォンを所有する中高生の70%が、『就寝前に寝床でスマートフォンでインターネット・ゲームをする』というんだ。
最近はこれは『寝床スマホ』と呼ばれていて、これをしているという中高生の平均『寝床スマホ』時間は107.4分、つまり1.5〜2時間程だね。今これは、中高生の大きな問題とされている。
厚生労働省から注意喚起までされたんだよ。
『寝床スマホ』‥‥。あ、そういえばこれも『スマホと睡眠不足』でやった気が…。‥‥に、しても、就寝前に2時間!?そ、それはすごいね‥‥。
‥まあ…。僕もスマホで夜、ゲームやってるからなぁ。大分ハマってるし。この前課金もしちゃったし。
えぇっっ!?だ、ダメじゃん!!
でもガワ、私も…。私はゲームじゃないんだけど、寝る前に寝床でスマホで友達とソーシャルメディアをやっていて、就寝時刻が遅くなってしまうの…。
えっ、えぇっ!?太子もダメじゃん!!!!!
あぁ、ソーシャルメディア…。ソーシャルメディアと言えば、『寝床スマホ』をするという中高生の70%が寝床でソーシャルメディアを利用しているんだよ!!!
えっ!? そうなの!?
じゃあ太子もその中の1人か‥‥はぁ‥…。
うーん。僕もその中の一人かも。僕がハマってるゲームも、『ソーシャルゲーム』って言って、構造はソーシャルメディアと同じようなものなんだよ。
えーっ!?ソヤーも、結局そっちー?
でも、寝床についてからの利用が多いと、生活の夜型化を招くよ。
そ、そうだよね!
うん。そもそも、スマホだけでなくテレビやパソコンもそうなんだけど、寝る前に不必要な光の刺激を視神経に与えると、メラトニンの分泌を妨げ、睡眠の質を低下させてしまうんだ。
メラトニンって言うのは、脳の松果腺って呼ばれる器官から分泌する睡眠するためのホルモンで、生活リズムと関係しているんだ。
こんな事例がある。ニューヨークの研究センターでは、就寝前に1時間前タブレット端末やゲームなどをした被験者のメラトニンは、日光を1時間浴びたのと同じように抑制された。
人間をはじめとする多くの生物が、生活リズムをメラトニンによってコントロールしている。
これが崩れることによって、睡眠に異常をきたし引いては健康にも影響が出て来るようになってしまうんだ。
また、夜にスマホを利用し過ぎると、うつ病にもかかりやすくなる。
へー……。怖‥…。でもね、何でそこまでして夜、寝床でスマホをやりたいの?って思うんだよね。どうしてなの?ふたりとも。
うーん。どうして、って言われてもなぁ。『手軽』だからかなぁ。なんとなく眠れない時、パソコンを起動したりするのは面倒だけど、スマホなら近くにあるしパパっと始められるしね。
ソーシャルゲームに関しては、ただハマってるから、なんだけど‥。ソーシャルゲームは、他のものに比べて、他のユーザーとのやり取りが簡単に出来るし‥。
寝ようかな、と思ってもあまり眠たくない日は、ついつい手近にあるスマホを触って過ごしちゃうんだよね。
ソーシャルメディアで友達とおしゃべりしたり、気になることを検索したり‥‥。寝る前に、寝床で寝っ転がってスマホをいじるのは、楽しいんだよね。
でも、思ってるよりあっという間に時間が過ぎちゃうの。
だから、時計を見て、あっ、もう寝なきゃやばい、と思っても、スマホやった直後だと、頭が冴えちゃって眠れなくて‥‥、それでまた、スマホいじっちゃうの。
そうやってどんどん時間が過ぎて行っちゃうんだ…。
スマホをいじる→眠れない→眠れないからスマホをいじるの悪循環だね。
ふたりの言うことはわかるよ。バックライトディスプレイには脳を目覚めさせる効果があるからね。
また、特に、ソーシャルメディアやソーシャルゲームなどでのやり取りは、他人からもらう反応によって脳が『報酬』を得ることで脳の『側坐核』という部分が興奮してしまってやみつきになってしまうんだ。酷いと中毒にもなる。
今、スマホと睡眠の問題はとても深刻化していて、専門外来までできたんだ。しかも患者の半分は中高生なんだ。
一度興奮した脳を再びリラックスさせるには、長い時間が必要なんだ。だから、一度興奮してしまった脳をいざ寝ようと思っても抑えきれず眠れなくて、またスマホをやってしまう。そうするとまた眠れなくなってしまう。
という悪循環にははまってるんでしょ?
でもガワ、それだけじゃないの。ソーシャルメディアをやっているとね、友達と話してて、いつやめればいいかわからなくなっちゃう時があるの。
でも無視したりすると、嫌われるんじゃないかと思って、夜遅くまでやり取りしちゃう時があるんだ。
あぁーー、なるほどー‥‥・。でもそれはさぁ、友達と「○時までは返信できる」とか、時間を決めることが重要じゃないかな?
ソーシャルメディア内で言うのが、嫌われちゃうかもって思って無理なら、現実世界で言うとか。
あぁーー‥‥、なるほど。。いや、ソーシャルメディア内でも言えるよ、大丈夫。
よし、これで私の問題は解決だ!
はー、それにしても、ソーシャルメディアは別に前からパソコンで出来たんだけどね。どうしてこう、スマートフォンが普及した瞬間ソーシャルメディア利用者が増えたんだろう。
やっぱりそれは、『手軽』ってことだよ。ソヤーも言ってたじゃん。今の時代はスマホの時代だからねー‥。いかにスマホと上手く向き合い、就寝前の利用を控えるかだね。
もともと、なんか眠れないから近くにあるスマホいじっちゃうんでしょ?それって、その前の晩も就寝時刻が遅いから次の日眠れないんじゃん。
つまりさ、1日でも就寝前のスマホ利用を控えてみたら?違うんじゃない?
そうだね。それが大事だね。
うん。『手近にある』からつい見ちゃうなら、就寝時はカバンの中に入れておくとか。
電源を切るとかね。緊急用のルートは自分で別に作っておいて!最近だと、電源OFFでも緊急だと鳴るスマホもあるみたいだよね。
あとはネットワーク制限とか。自分でインターネットに接続出来る時間帯を設定出来て、その時刻が過ぎると自動的につながらなくなる。自分で設定を守る。
自信がなかったら、親と相談して、親にパスワードをかけてもらって設定してもらうっていうのもありかもね。俺、受験生の先輩でそうやっている人を見たことあるよ。
なるほど‥。
よし!じゃあ、解決策が固まったみたいだね。