お父さんとの世代交代

ゼウスの最高神という地位は元は父親、ティタン神族のクロノスから奪ったものです。そのクロノスも父親（ゼウスから見たらおじいちゃん）のウラノスから奪ったものになります。 世界は初め、カオス（混沌）しかありませんでした。 そこからガイア（大地）、タルタロス（奈落（神））、エロース（愛）、エレボス（暗黒）、ニュクス（夜）が生まれました。 ガイアはウラノス（天）を産み、ガイアとウラノスは100の手と50の頭を持つヘカトンケイルや単眼の巨人キュクロプス、ティタン神族などを産みました。 ウラノスはヘカトンケイルやキュクロプスの見た目を疎ましく思い、タルタロス（奈落（場所））に幽閉しました。 それを悲しんだガイアは、ウラノスへの報復を企て子供達に復讐を呼びかけます。 そこで唯一名乗りを挙げたのが末っ子のクロノスでした。 クロノスは魔法の金属であるアダマスでできた鎌でウラノスを去勢しました。 こうして、クロノスは最高神となりました。 ですが、クロノスはウラノスから『子供に権力を奪われる』という内容の予言を受けていました。 そこで、妻のレア（姉）との間にできた子供（ヘスティア（炉の女神）、デメテル（豊穣の女神）、ヘラ（結婚と出産の女神）、ハデス（冥界の王）、ポセイドン（海の王）（以上全て後述））を次々と丸呑みしていきました。 最後に生まれたゼウスは母レアの企みによりクレタ島へ隠されました。 レアはクロノスにゼウスの代わりに石を飲ませました。 密かにゼウスは成長し、クロノスに姉や兄を吐き出させました。 その後、ティタン神族との戦いが始まりましたが10年間その戦いが終結することはありませんでした。 ゼウスは「ヘカトンケイルとキュクロプスを味方につければいい」というガイアのアドバイスをもとにタルタロス（場所）から解放しました。 キュプロクス達は「助けてくれたお礼に」とゼウス、ポセイドン、ハデスにそれぞれ雷霆、三叉の矛（トライデント）、姿を見えなくできる兜を作ってくれました。 さらに、戦いの時にヘカトンケイルたちは休みなく岩を投げてくれました。 ティタン神族たちはこの猛攻に耐え切ることができず、ゼウスたちの勝利に終わりました。 この戦いのことをティタノマキアといいます。 くじ引きによりゼウスは天空、ポセイドンは海、ハデスは冥界を支配することになりました。 その後、ティタン神族はタルタロス（場所）に幽閉されました。 ティタノマキアではゼウスたちの味方をしたガイアでしたが、子供達がタルタロス（場所）に幽閉されているのは我慢ならず、ウラノス（去勢された時に出た血）とガイアとの子供であるギガス族（巨人族）達をけしかけたのですが、ヘラクレス（ゼウスと浮気相手の息子）の助けも有り、ギガス族は見事惨敗。 そして最後に、ガイアはタルタロス（神）との子テュポンをけしかけました。 一度ゼウスが幽閉されたりとアクシデントはありましたが、最終的にはテュポンに勝利し、平和を取り戻しました。